「こんにちはー・・・・ってあれ?」
早速青学の状況を報告に来たというのに当の本人がいない。
目の前には数日前に見せられたあの、向かい合わせの机がある。
その上には山積みの資料が。
ああ、最初楽しいかもって思った自分が馬鹿だった。
やっぱり私の楽園、返してください。
Eternal L O V E 〜defiant〜
とりあえず・・・・仕事しないと。
これでも一応副運営委員だからね。
引き受けちゃったからには・・・・ちゃんとやらなきゃ・・・・・。
ええと・・・・まず、うわー、これ倉庫のリスト?
こっちは?んと・・・・・業者のリスト・・・・・・。
よしっ!悩んでてもしょうがないからやるかっ!!!!
「なぁ、跡部。」
「なんだよ。」
「自分また変なこと考えとるわけやないやろな?」
「あ?何のことだ。」
「やって、副運営委員ちゃんって・・・・・。」
「気安く呼ぶんじゃねぇよ。何が悪いんだ。」
「いや・・・ただ、女っちゅーんは難しいで。」
「バーカ。お前より知ってんだよ。」
それどないな意味やねん(俺より経験あるっちゅうことか?)
副が青学の・・・・・・。
長い付き合いの俺には跡部がこの企画を提案した理由が分かった気がした。
勿論、青学にカリを返すのが1番の目的だろう。
そのついでに気になるあの子も・・・・やろ?(俺ってホンマ頭ええな)
跡部がちゃんにゾッコンラブvというのは氷帝では皆が知っている。
本人も隠すつもりはないらしい。
現に告白・・・みたいなことしていっつもかわされとるみたいやし。
ちゃんもあいまいなことするから跡部に気持たせてしまうんや・・・・・・・。
でも、跡部があそこまで惚れる理由が分からん。
アイツ、モテるしそこらへんの噂はいろいろあったんや(日替わり・・・とか)
せやけど、最近はそんなん全然聞かへん。
ちゃんのどこにそないな魅力があるっちゅーんや。
この学園祭、それが分かるだけでも面白そうやん。
まぁ跡部を手伝う・・・・・今は、な。
「まぁせいぜい頑張りや。」
「うるせぇ。結果は決まってんだよ。」
いつも通り上から目線。
だけど今日はいつもと違って頬が緩んでいる。
それは、ちゃんのおかげなんか?
足早に俺からいなくなる跡部を見ながら考えていた。
今度会った時は挨拶もかねてサゴシキズシでもどうやろか。
(何考えてんだ、アイツは・・・・)
忍足と俺が会話するのはめずらしくない。
いつもの調子。淡々とした話し方。
でも、内容が内容なだけにちょっと胸がざわつく。
まさか・・・・・、いやないよな。
アイツのタイプとは違うからな。
まぁ俺のタイプとも違うらしいが・・・・はっ、知るかよ。
とりあえず注意するのは中よりも外だ。
厄介なのが大勢いるからな・・・・・。
「こんなところで何やってるの?」
「あ・・・・不二くん・・・・・・・。」
ふらっと立ち寄った倉庫。
ごそごそと物音がするので入ってみれば、そこには見覚えのある後姿が。
「ちょっとね、どんなものがあるのかなーと・・・・。」
「それ、ここにあるもの全部?」
「そう。でも、こんなに散らかってたらわけ分かんないよね。」
手に持っているプリントは数枚。
床にはそれの何倍ものプリントが散らばってる。
「不二くんこそ、どうしたの?」
「ここ、広いからね。
どんなものがあるのかと思って散策してたんだ。」
「そっか。あー、ここは何もないよ。暑いだけだし。」
それにしても何でこんなに・・・と文句をいいつつ紙とにらめっこを始めている。
僕はずっと知りたかったんだ。
掛け持ちは大変なことぐらい知っている。
でも、あの時青学の運営委員を強制させたのは、運営委員をやってほしくなかったから。
だってそうだろ?
僕の大切なが奪われちゃうじゃないか。
「。どうしてそんなに頑張るの?」
「んー、何が?」
声だけ反応して、体はこっちを向かない。
「運営委員・・・・そこまでやらなくてもいいんじゃない?」
「あー・・・でも、引き受けちゃったしね。」
「・・・・・・・。」
「なんていうかさ、大変だけど・・・。
それで皆が成功してくれるならそれもいいかなって。」
「・・・・・・。」
「さっき、皆の顔見てそう思った。
私にはさ、皆がいるもん。すごい味方じゃん!!!」
思わず何も言えずに固まる。
でも、説明している時に見せた悩んでいる顔。
キミはいっつも1人で抱え込んじゃうから心配なんだ。
「そうだね。には僕たちがついてるよ。
だから、何かあったらすぐ言うんだよ?
仲間なんだったら、頼るべきだよ。」
「・・・・・うん、ありがとう。」
「もしかして、ここ全部整理する気?」
「んー・・・・今日は時間ないけど・・・・・少しずつやっていけばいいかなーと。」
「じゃぁ僕も手伝うよ。」
「ええ!それは有難いけど、筋違いな気が・・・・。」
「おい、何やってんだ。」
ああ、やっぱりこの子が青学の運営委員で良かった。
そう思っていたところだった。
声をかけられ、振り返らずともその正体は分かる。
本当、キミはいっつも僕の邪魔ばかりするよね・・・(微笑)
「やぁ、跡部。うちの運営委員がお世話になってるよ。」
「不二か。こんなところで何してるんだ?」
「ふ、不二くんがね!仕事手伝ってくれるって言ってくれて!ね?」
険悪ムードに気づいたのか、オロオロしながらフォローを入れる。
・・・フフ、心配しなくてもそこまで仲悪くないのに。
「、用事がある。戻るぞ。」
「えええ!!!っていうか跡部くんが委員室にいなかったんじゃん!」
「うるせぇ。つべこべ言わずにさっさと行くぞ。」
ごめんね不二くん。怒るなら跡部くんにしてね!
申し訳なさそうに僕の前を通り過ぎていく。
そんな顔するならずっと僕の側にいればいいのに・・・なんてね。
フフ、本気で狙っちゃってもいいのかな?
というか、僕が最初に見つけたんだしね。
邪魔するヤツは・・・・・フフ。
「ねぇ、跡部。」
「ああ?」
「・・・・・あまり調子に乗らないほうがいいよ。
それと、もしこれ以上負担をかけるようなら・・・・許さないからね。」
「お前らがアイツがいいって言ったんだろ。そっちこそアイツを苦しめるなよ。」
「・・・・・・・まぁいいや。それじゃね。」
一応忠告までに。
でも、この僕でさえもアイツが興味持つなんて思わなかった。
早めに排除しとけばよかったよ。
・・・・・・不二に言われた言葉がやけに耳に残る。
さっきの忍足のこともあって余計に嫌な予感がする。
まぁいい。
何にせよ、勝つのは俺様だからな。
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サゴシキズシの他にカス汁もオススメやで