「副運営委員長、ねぇ・・・・・・。」
こんないい機会を逃すわけにはいかない。
どんなに望んだって一緒にいることは出来なかった。
俺はいつでも遠くで、お前だけを思って。
Eternal L O V E 〜prologue.03〜
どれだけお前と同じ学校が良かったと思っただろうか。
そうすれば同じクラスになれて(あ?俺様に出来ねぇことはねぇんだよ)
席も隣にして
きっと必死に睡魔と戦っているお前の顔を見て愛らしいと感じて
愛しいから少しイジワルもしたくなって
たぶんちょっかいを出すんだろう。
分かるぜ?お前の反応。
授業中だから大声を出せないお前は不機嫌な顔で俺を睨んでくるだろう。
それさえも愛しい。
きっと俺だけに向ける顔だから。
のどんな表情でも独占したい。
そしてお前のことを無理やりでもテニス部のマネージャーにしているんだろう。
なんだかんだ文句を言いながらお前は一生懸命働いて
テニス部のために尽くしてくれる。
それゆえに俺はきっと嫉妬をたくさんするだろう。
「俺専用」ではない。
他の奴と親しげに話す姿を見て思う。
俺だけの
俺だけにのために
俺だけを考える
「俺専用」のマネージャーにしたい、と。
同じ学校だったら
朝も昼も放課後も
ずっと一緒にいて、ちょっかい出して、泣かして、笑わして。
そういったたわいもない幸せな時間が過ごせるのに。
お前が望むんだったら夜だって一緒にいてやるゼ?
こんなにも大切にしてやるのに
だけど
現実はそんなに甘くなかった。
手を伸ばしても届かない位置にお前はいた。
今まで何でも手に入れてきた俺が、唯一どうしても手に入れられない。
だから、余計手に入れたくなる。
お前とあんな出会いをしていなかったら、
お前は俺のことを他の奴みたく好きになってくれていただろうか?
俺はお前のことをこんなにも好きと感じていただろうか?
・・・・・・俺の答えはイエスだ。
信じている。
お前とどんな出会い方をしても、
跡部景吾はを好きになって、欲しくなって、どうしようもなくなることを。
「・・・・・・待ってろよ。」
俺は渡された資料に軽く目を通し、すぐに監督のもとに向かう。
副委員長には、青学のを推薦する、と言いに。
「そ、そんなこと言われても嫌なものは嫌なの!」
「お前にとっても良い話だ。やっといて損はねぇぜ?」
何度言っても返事はNO。
まぁお前の性格からいけばそうだろうな。
いきなりの学園祭副運営委員長。
監督はあっさりOKを出してくれた。
予想通り。そして、が反抗するのも予想通り。
、俺様とずっと一緒にいられるんだぜ?
「拒否権はお前にない。やれ。」
そう、運営委員長はこの俺。
逆らうことなんてできねぇんだよ。
追いかけられるより追いかけたい。
愛されるより、愛したい。
・・・・・・いや、からだったら愛されたい。
俺はこんなに愛してるんだぜ?
いい加減気づけよ。
「だったら他の子あたってよ。私は忙しいの。」
「ふん、暇だろ?それにお前しかいねぇんだよ。」
そう、お前しか。
目の前にいるしかいない。
手塚だ?笑わせんな。
忍足だ?フザケンな。
ずっと離れていて、近づきたいと思っていた。
一緒になりたいと、心から思った。
俺は知ってるぜ?
最後にはちゃんと引き受けてくれることを。
「俺はお前と過ごしたい。
学校が違うからな。中々一緒にはいられねぇ。
だから、せめて夏休みだけ。2週間ぐらいは付き合え。
俺が最高の夏にしてやるから。」
に隙を与えるために言った言葉。
そんなわけねぇだろ。
これはまぎれもなく本心。
「言っとくが、さっきのは本気だぜ?」
触れるだけの、キス。
これ以上したら本気で理性がヤバかった。
分かっていたこととはいえ、少なくとも2週間は近くにいれる。
今までできなかったことができる。
に、俺を愛しいと、感じさせられる。
そう思うとニヤけが止まらない。
そして、これからのことを思うと、興奮しすぎて止まらなくなる。
「この続きは学園祭だ。いくらでもキスしてやる。」
そう、今はまだ頬で十分。
何度でも、何回でも、俺しか考えられなくなるくらい、
深いキスをその唇にしてやる。
「ここが最後だ。」
「・・・・・・何?ここ。」
「運営委員室だ。入っていいのは俺と、お前。」
何とかをその気にさせて会場を案内する。
いちいち「すごい」だの「金が無駄だ」だのうるさい(少しはだまってろ)
やっとこれで最後だ。
やれやれと思いつつ横目でを見るとあきらかに怪しんでいる顔。
「もしかしてさ、跡部くんと2人きりで仕事すんの?」
やっぱりコイツは頭がいい。
そう、これはまたとないチャンス。
学校が違うといたくても一緒にいれない。
でも、この2週間だけは、密室で2人きり。
「ここは俺とだけだ。邪魔はいねぇ。
やっと2人きりになれる。・・・・・・楽しませてもらうぜ?」
後ろからを抱きしめる。
デカイ態度とは裏腹に以外にもちっさい。
柔らかい。それが1番似合う言葉だ。
「いやいや!きょ、今日も暑いねー・・・なんて・・・・・・。」
何が暑いだ。
俺とくっついてるから暑いんだろ?
いつもだったら蹴りの1つでも入るはずが、今日はない。
・・・・・・期待するぜ?
「冗談だ。医務室のベッドにも限りがあるからな。予備だ。」
冗談なわけない。
「・・・お前は何でも信じるんだな。これは俺のためだ。
コートあったろ。汗かいたまま仕事なんてできねぇからな。
使いたいんならお前も使っていいぜ?」
そんなわけない。
明らかに怪しい理由。
自分でもよくこんな嘘が言えたもんだ。
全て俺が頼んで作ってもらったものだ。
結局はただの変態だったってことで・・・・いいんだろか?
変態・・・・・・、ね。
「俺様の言うことにくちごたえする度にキス、な。」
変態なわけねぇだろ。
俺様が変態なら、お前は超がつくほど変態だ。
俺が好きなんだから。
「副運営委員長兼、青学の運営委員。」
そんな馬鹿な話あるか。
最初は猛烈に反発した。
やっと手に入った時間がなくなってしまう。
だが、青学の顧問が監督に頼み込んだらしい。
俺も監督に言われれば従うしか方法はない。
と一緒にいられる時間が、減った。
ただでさえ、本当は少ないってのに・・・・・・。
「絶対やんないから!」
それはたぶん、自分の仕事を軽くしようと思って出た言葉。
それでもいい。
その言葉のお陰で、少しは安心できた。
青学の連中よりも俺をとった。
ざまぁみろ青学。
だが、俺は何も分かっていなかった。
何でお前まで、惚れてんだよ。
を見ていいのは、俺だけ。
邪魔すんなよ。
BACK ← → NEXT
俺様は変態じゃねぇぞ