「うむ、。これから頼むぞ。」
「は、はい・・・・・・。」
榊先生を目の前にしてまさか、
「嫌です。何でこんな馬鹿げた企画に参加しなきゃいけないんですか。っていうか何で私なんですかっっっ!」
なんてい言えない。
ましてや目の前にはさっきの『契約書』が。
・・・・・・必死に隣で笑いをこらえている人がムカツクんですけど(この運営委員長最悪だ)
Eternal L O V E 〜prologue.02〜
「・・・・・・・・ここはステージだ。」
「・・・・・・。」
「どうした、もう後戻りはできねぇんだぞ。あきらめろ。」
そうじゃない。
そうじゃなくて・・・・。
いや、あきらめてもいないんだけど、
「どうやったらこんな会場が用意できるのよ・・・。」
「俺様を誰だと思ってんだ。ぼーっとしてねぇで、次行くぞ。」
次々に案内されていく場所は未知の世界に見えた。
どのくらいの広さだろうか。
うちの学校より広いんじゃない?と思うくらい大きい。
会場にはテニスコート完備の体育館、模擬店スペース、広場、ステージ。
そして、本館。
どこもキレイに整備されてある。
まだ何も準備されていないから少し寂しい感じはするかな。
・・・・・・ところで今歩いているのはどこなんだろう?
「ここが最後だ。」
「・・・・・・何?ここ。」
「運営委員室だ。入っていいのは俺と、お前。」
会議室を更に奥へ進んだところにその部屋はあった。
入っていいのは・・・・俺とお前?
つまり、私と跡部くんということなんだろうか。
「よく意味が分かんないんだけど。」
「要するに、だ。ここは書類の整理、管理、その他事務などをする部屋だ。
普通の奴は入らせねぇ。重要なものがあるからな。」
中はいたって普通な部屋。
棚にはたくさんの本。
中央には机が2つ、向かい合わせで置かれている。
・・・・・・あれ、ここに座るのかな。
「もしかしてさ、跡部くんと2人きりで仕事すんの?」
「当たり前だ。他の奴は入れねぇからな。」
「はい!はい!激しく嫌なんですけど!」
「お前はもう副運営委員長なんだ。しっかり仕事はやってもらうぜ?」
ほらね。やっぱり雑用は私がやるんじゃん。
っていうか2人きり?
絶対嫌なことが待ってる気がするのは私だけですか・・・・・?
机はピカピカ。イスはふかふか。
こんなところにまでお金使わなくてもいいのに・・・・と思ってしまう。
「さっき運営委員になれば他にも特典があるって言ったよな?」
「あー・・・・・うん。」
「ここは俺とだけだ。邪魔はいねぇ。
やっと2人きりになれる。・・・・・・楽しませてもらうぜ?」
いつの間に後ろに回ったことやら。
後ろから抱きしめられ、耳元で囁かれる。
離そうと思ってもぎゅっと締め付けてくるのでなかなか離せない。
その前にその特典って私じゃなくて跡部くんの特典じゃんか!(私に利益なことなんて1つもないんですけど!)
「ちょ、な、何考えてんの・・・・!」
「好きだぜ、。」
「こ、これが本当の理由・・・・・・?」
「さあな。いい特典だろ?」
「んなわけないでしょ!離してよ!」
だー、もう、誰だよ、こんな部屋作ったの!
こんなの全然特典なんかじゃない!
むしろ罰ゲームじゃないですかぁぁぁ!
やっと離してくれたかと思うと今度は正面から抱きしめられたわけで。
「ゆっくりヤれるな。」
「ヤ、ヤるって・・・・・・仕事・・・・・・だよ・・・ね?」
「さぁな。
真っ赤になって・・・・そんなにしたいのか?」
「いやいや!きょ、今日も暑いねー・・・なんて・・・・・・。」
「しょうがねぇな、今すんのかよ。」
「誰もそんなこと言ってないでしょ!!!」
「俺はいつでもいいゼ。」
誰かこの男の思考止めてください・・・。
早速太ももを撫でてくる跡部くんをドンッと突き飛ばして何とか身の安全を確保。
「こんなにお金あるなら部屋別にしてよ!」
「ダメだ。2人の方が効率がいいだろ?」
「でも絶対怪しいこと考えてるでしょ!」
「あ?副運営委員長になるってことはこういうことも了承したってことだろ。」
あぁ、ちょっとあの紙燃やしたい(灰になるまで燃やしたい)
こうなることを知ってて押し付けてたんですか。
そんなこと契約書に書いてあったっけ?(いや、なかったよ)
ニヤニヤしながら懲りずに近づいてくる跡部くんから必死で逃げようと部屋の奥へと走る。
・・・・・・・あれ?
「・・・・何でベッドがあるの?」
「そりゃ、床じゃヤりにくいだろ。」
「・・・・・・。」
ちょ、ちょ、ちょっ・・・・・・・。
「ホント、頭大丈夫?」
「冗談だ。医務室のベッドにも限りがあるからな。予備だ。」
ほっ。
本気じゃなさそうで良かった・・・。
それにしても妙に引っかかる理由。
それならなにもこの部屋に置かなくたっていい。
第一他の人は入れないんじゃなかったっけ?
・・・・・・・やめよう。これ以上聞くと知りたくないことも知ってしまいそうな気がする。
「ん?このガラス張りの扉は・・・?」
「あぁ、中入っていいぜ。」
ガチャ、と遠慮なく扉を開ける。
そう、そこにはまさかの・・・・・・・
「シャワー室!!!???」
「何だよ。また文句か?」
ベッドにも驚かずにはいられなかったがシャワー室とは・・・。
い、一体何のため・・・・。
「ヤったら汚れるだろ。」
「またですか!やっぱり副運営委員ヤめる!」
「・・・お前は何でも信じるんだな。これは俺のためだ。
コートあったろ。汗かいたまま仕事なんてできねぇからな。
使いたいんならお前も使っていいぜ?」
これまた怪しい理由。
汗かくなんて跡部くんだけじゃないだろう。
ま、まさかもしかしなくてもこのベッドとシャワーというのは・・・・。
想像するのはやめよう。
これでも跡部くんのことは尊敬するところもあるんだ。
200人のトップに立つ男。
手塚部長との試合は本当に感動したんだ。
それから見直したのに。カッコイイなんて思ってたのに。
結局はただの変態だったってことで・・・・いいんだろか?
「よくねぇだろ。」
「読むなー!人の心を読むなー!」
「もういいだろ。とりあえず座れ。まだ話してないことがある。」
思わず身構えてしまう。
この期に及んでまだ隠していることがあるんだろうか。
「俺とお前以外にも運営委員はいる。
各学校に1名ずつ。女だ。
もう各学校で決めておいて欲しいと伝えてある。」
良かった・・・。
またベッドやシャワー室みたいなのがあったらどうしようかと思った。
それにしても、そうだよね。運営委員長がいるんだから運営委員だっているよね。
そっかそっか・・・・・・・。
その子が引っ張って進めていくんだね。
・・・・そして私は雑用ですか。
「うん、それでいいんじゃないかな。
その運営委員が各学校の責任をとる・・・ってことだよね?」
「ああ。だが最終的に責任をとるのは俺とお前だ。」
「な、何で私まで巻き添えなのよ!」
「たりめぇだろ。いちいちお前はごちゃごちゃうるせぇんだよ。」
「なっ!さっきっから黙って聞いてれば・・・・・・。」
思いっきり叱ってやろうと思ったその時、唇に柔らかい感覚が走る。
「俺様の言うことにくちごたえする度にキス、な。」
「っっっ・・・・!!!!!やめるっ!嫌だ!」
「またキスされてぇのか?」
「早く話してください。」
「・・・・・・・チッ」
いきなりキス、された。
あまりにも不意打ちで、そして柔らかくて。
顔が赤くなってくるのを見られないように俯き加減にしょうがなく話を聞くことにした。
「それで、だ。
青学にも頼んだんだがな。
お前ンとこのレギュラーがどうしてもお前がいいって聞かねぇんだよ。」
「はぁ、そうですか。」
「だからお前、やれ。」
「はぁ、そうですか・・・・・・・・・・ん?」
やれ?
やれって何を・・・・・やるんで・・・しょうか・・・・・?
「運営委員だよ。」
「待って。私副運営委員長だった気がするんだけど。」
「副運営委員長兼、青学の運営委員。」
「ややこしいな!」
「決まりだな。これで今日は終わりだ。資料はこれだ。ちゃんと目、通しとけよ。」
「え、ちょ、ちょっと・・・・・。」
「今度会うのは8月22日だ。お前は少し早く来い。」
「え、兼って、どういう・・・・。」
「あぁ、別に俺に会いたくなったらいつでもいいんだぜ?」
「ちょ、ちょっと!!!!待ってよ!」
「・・・・・・待つのはいいがキス、な。」
ズイッと整った顔が急にドアップに。
思わず顔を反らすと思いっきり嫌な顔された。
嫌な顔したいのはこっちだい!!!
「あの、副運営委員でも仕事いっぱいなのにその上普通の運営委員の仕事もやれと・・・。」
「仕方ねぇだろ。文句ならお前のレギュラーに言え。」
「そ、それでいいのか!運営委員長として気遣いとかはないのか!」
「俺だってな。をここに閉じ込めときてぇし、他の奴に見られたくねぇし、俺のもんにしたい。
だがな、聞かねぇんだとよ。アイツら。
安心しろ。その代わり出来るだけ運営委員には頼らない約束にしてある。
俺様と2人きりの時間はなくならねぇから。」
「そこ問題じゃないから!!!」
こ、これはどうにかしないと・・・・。
100歩、いや100000000歩譲って副運営委員長にはなってあげよう。
うわ、私って優しい!ってことにしといてあげよう。
・・・・・・だけど「兼」っていうのはありえないだろう。
誰だ、私を直々にご指名したのは。
「これ、アイツらを納得させれば私がやらなくてもいいんだよね?」
「・・・・・まぁいいが、早く決めろよ。」
「任しといて!絶対やんないから!」
とりあえずは青学に帰って皆で話し合おう。
みんなはきっと私が副運営委員長になったってこと知らないんだ。
聞いたらきっと同情してくれる・・・だろう(たぶん)
(馬鹿なヤツ。そんなこと言ったら期待すんだろ。)
不覚にも、最後の言葉。
「絶対やんないから!」に期待をしている自分がいる。
・・・・・・それはもしかして、俺とずっと一緒にいたいからか?
いや、今までの行動からしてそれはないんだろうが・・・。
でも、可能性はゼロじゃねぇよな?
絶対この学園祭で手に入れてやる。
なぁ?。
好きだぜ。
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やっと2人だけになれる。・・・・・・邪魔すんじゃねぇぞ。