「、今日は何の日か知ってる?」
バレンタイン大作戦
「精市、近い・・・・。」
「、俺の質問に答えてよ。」
今、すっごい迫られてます。
前は精市、後ろは壁。
いや、いい意味でだったらいいんだよ?(ほら、告白されるとき・・・みたいな)
でもね、目の前の人はすっごい怒ってるんだ。
「ん〜・・・2月14日でしょ?」
「そう。」
「えっと・・・・・・わ、わかんない。」
そんなの女の子なら誰でもわかる。
今日はバレンタインデーです。
でもあえて言わない。
だってさ・・・・・・・
「質問の答えはバレンタインデーだよ。」
「あ・・・そ、そうかも。」
「・・・俺もチョコ欲しいんだけど。」
「・・・・・・。」
「は俺のこと嫌いなの?」
そんなわけない。
むしろ好き。大好き。
だから付き合ってるのに。
「好きだよ。」
「ありがとう。だったらチョコくれてもいいんじゃない?」
さらに顔を近づけて囁いてくる。
で、でも、諦められない。
「んー、だから、言ってるじゃん。交換条件。」
「何だっけ?」
「だーかーらー、私が精市にチョコ渡す代わりに携帯返して?」
「それはダメ。」
即 答 で す か
むー・・・・・・・手強い。
そりゃね、あの幸村部長に勝負したって勝てないのは分かってるよ。
でも、携帯無かったら困るでしょ!!!
「携帯のことはが悪いんだよ。」
「いや、普通に電話してただけだから。」
「どうして俺意外の奴と電話する必要があるの?」
「どうしてって・・・、どうしても。」
精市が携帯を取り上げた理由。
それは私が他の男子と携帯で電話してたから。
「それに、メール見たら俺以外の奴ともメールしてるし。」
「なっ!メール勝手に見たの?」
「いけなかった?」
口は笑ってるけど目が笑っていない。
・・・もう、限界かな。
にっこりと笑って手をさしだしてくる。
携帯は返さないけどチョコはくれということですかい。
「やっぱり部長には勝てないね。分かった、チョコ、渡すよ・・・・・・。」
だからちょっと離して?というと以外にも簡単に腕をどけてくれた。
ごめんね、きつく抱きしめててと言われると許してしまうじゃないか。
精市のが悪いのに。
そそくさとチョコが入っている紙袋の方へ向かう。
逃げる事もできたけど後ろからはあきらかに視線を感じる。
それに、チョコは渡すつもりだったしね。
「はい、ハッピーバレンタイン。」
「ありがとう。」
唇に触れる暖かい感触。
「、唇乾燥してるよ?」
「だって今日はずっと精市に脅迫されてたからリップぬる暇なかったの。」
唇を押さえると思っていたほど乾燥はしていない。
たぶん、今精市にキスされたからだ。
「開けてもいい?」
「うん、どうぞ。」
キレイにラッピングされた箱を開けていく。
精市はイケメンテニス部の部長で人気あるから結構たくさんの人からチョコを貰っている。
だから、どうしても私のだって目立たせたくて、箱に大きくリボンをつけた。
「これ、手編み?」
「うん、手作りとか・・・好きじゃない?」
「そんなことないよ。だってが作ってくれたんだから。」
チョコだと何か物足りない感じもしたからマフラーを編んでみた。
手作りが好きじゃない人もいるから不安だったけど良かった。
胸をなでおろしていると精市が手招きをしている。
何かと思い、近づくとマフラーを自分にかけ、私の首でも巻いてきた。
「こんなに長いマフラー作るからこうして欲しかったんでしょ?」
「ち、違うって!あったかいかなって・・・。」
「俺はあったかいよ。」
そのまま抱きしめてくれた精市は本当に暖かくて。
この間まで病院で寝たきりだってなんて思えないくらい包容力がある。
「あ、チョコも食べてみて。」
「ああ。」
作ったのはシンプルにチョコレートケーキ。
「うん、おいしい。」
「本当?」
「俺がに嘘つくわけないだろ?」
「だって精市はいっつもだますんだもん。」
「それはの反応が可愛いからだよ。」
そう言って額に唇をつけてくる。
恥ずかしいセリフを普通に喋る精市はすごいと思う。
「・・・・・・ところで何してるの?」
精市のすごさについて感心しているといつの間にやら私の首から肩にかけてリボンがかけられている。
・・・・・・どういうことですか。
「があまりにも可愛かったから。」
「幸村さん、理由になってないですよ。」
「フフ、可愛いね、は。」
うん、うん、と数回頷いて納得したあと、ギューッと抱きしめてくる。
恥ずかしいけどニヤケているのは精市のことが好きだから。
「ねぇ、。」
「ん?」
「携帯、どうしても必要?」
携帯・・・あ、そっか。
すっかり忘れていた。
「えっと・・・・・・。」
「がどうしてもっていうんなら返すけど。」
正直言えば、そんなに必要なものじゃないかもしれない。
電話やメールなんてたわいのない話ばかりだし。
「精市はどうしたいの?」
「俺は返したくない。」
「ど、どうして?」
「には俺だけ見て欲しいから。」
「でも、精市とも電話もメールもできなくなっちゃうし・・・。」
「話がしたかったら会いに来てほしいし、俺も会いに行く。」
だから、返したくない。
一瞬で顔が赤くなった気がする。
ああ、やっぱり好きなんだなって。
「じゃぁ・・・別に持っててもいいよ。」
「ありがとう。ちょっとたったら返すよ。」
「そうなの?」
「返して欲しくないの?」
「うううん。ありがとう。」
抱きしめられてまた顔がニヤケる。
精市はどうなんだろ?
なんか自分だけだったら悲しいよね。
そう思ってふと横を向くと精市も笑っていた。
「何で笑ってるの?」
「愛されてるなって思ったから。」
「どうして?」
「だって、ニヤケてるんだもん。」
しまった!見られてたんだ・・・
「ねぇ。」
「ん?」
「貰ってもいい?」
「何を?」
「いいから、貰ってもいい?」
「え・・・いい、け・・・ど・・・?」
「ありがとう。」
そう言うと顔のいたるところにキスをしてくる。
思わず顔を背ける。
「がいいって言ったんだよ?」
「ちょ、だから何が?」
「だってリボンついてるから。」
これもプレゼントかと思った。ってどうやったら思うんですか。
「これ、精市がつけたんだよ?」
「があんまり嫌がらないから。」
「むー・・・・・・。」
リボンを引っ張り、はずす。
精市は少し残念そうな顔をしている。
「。」
「ん?」
「好きだよ。」
「うん。」
「は?」
「好き。」
だってどんなことされても好きだから。
END
ひたすらラブラブしているのが書きたかっただけなんです