「キャアw柳くぅ〜ん、こっち向いてぇ〜!!!」







あなたの周りはいつも五月蠅い。
















ワスレモノ


















「ハァ・・・。」


「どうかしたか?」




今日はテニス部三強(立海の中だけだけど)の柳蓮二の誕生日。

いや、プレゼントは買ったんだけど・・・。






「真田〜、どうやって渡せばいいと思う?」


「そんなもの普通に渡せばいいだろ。」





せっかく蓮二と仲の良い真田に相談してるのに。

わかってませんね。

これでも乙女なのです。






「だって・・・。あんなに人気なんだもん・・・。」


「幼馴染であるお前がそんなものに耐えられんなどたるんどるっ!」







いや、説教されましても・・・。

幼馴染だから余計に困る・・・。

幼馴染として受け取ってもらうと困るんだよね。




「真田、一生の御願い!これ、蓮二に渡して?」





自分で渡すと嫌だ。

他の女とおなじに見られる。

私はあいつのこと一番知ってるのに・・・。あわす顔がない・・・。





「うむ。断る。


「(ガーン・・・。)」





チクタク





チクタク・・・。





時計の針は終わりがないように思えるほど果てしなく鳴っている・・・。




もう夕方。

1人だけの教室。

きっとテニス部も終わる時間だろう。

終わってほしくない、早く帰りたい・・・

と矛盾な気持ちをもっている。

だが私の足は動かず、立てない。







彼が来ることを・・・。 心の隅では待っているのかもしれない。














「はぁ・・・。帰るか。」




あきらめ、動かない足を必死にドアの前へと進める。

ドアの前に立った瞬間。














ガララッ















「なんだ、か。」


「ッ!!///」





その人はいた。目の前に。

理解するのに数秒かかった。

やっと動いた足がまた動かなくなった。





「どうした?」


「いっ・・・・・・いや、蓮二こそ何をしに来たの?」


「あぁ、忘れ物をな。」


「・・・そっか。」





私がプレゼントをあげないことは何も気にとめていないらしい。

そりゃ、そうだよね・・・。





「じゃあな。」





え?





「蓮二、忘れ物って・・・。」


「ん?ああ。」






えっ・・・。




わ、忘れ物って・・・。





「私?」


「ああ。」



「な、何で?」






今、私は蓮二に抱きかかえられている。





「れ・・・蓮二・・・///」


「お前が遅いからだ。」





うぇっ・・・。うっ・・・。





自然と涙がこみ上げてくる。

こんな感情初めて。

こんなにも嬉しく・・・暖かい。





「蓮二・・・。」


「フッ、まったく予想の外れる女だな。」





END