ため息しかでないんですけど・・・。














ひと息ついて

















「ハァ・・・。」





もうダメ人間決定だね。私は。

情けないよもう・・・。

マジでため息しかでないんですけど・・・。





ん?あそこにいるのはちゃん!?

何やってんだろ。中庭で。

ってか今授業中だよ?(お前もな





「ハァ・・・。」


「何やてんの。」


「うわっ!!!。」





そんなに驚かなくても・・・。





「千石くん!?」


「何やってるの?ちゃん。」





さっきっからずっと花びらちぎってる。

花占いでもしてるのかな?





「べ、別に・・・。」


「話してよv」





オレの顔を見てから空を見上げる。

また死んだような目をしながら花びらをちぎりだした。

・・・大丈夫かな?





チャン?」


「私ね・・・。」





すっごい苦しそうな目してる。

失恋・・・?

いや、そうでもないような・・・。





「ご、ごめん。嫌なら話さなくてもいいから。」





うううん。って言ってにっこり笑ってくれる。

やっぱ可愛いな・・・。なんてね。

こういうところに惹かれたのかな。オレって。





「私って生徒会役員じゃん?」


「うん。」





そういえばそうだ。

しっかりしてるからピッタリだと思うんだけど。

何事にも真剣に取り組んでるしね。

オレにはとても出来ないよ。





「・・・失敗しちゃったの。」


「・・・それだけ?」


「んー。それだけ・・・?」





絶対違う。

ただ失敗したぐらいじゃそんな落ちこまないって。

今までだって失敗したことぐらいあるでしょ?





「話してくれない?何か役に立てるかもしれないから。」


「うーん・・・。」





ハァ、と大きな溜息をつく。





「それは本当。それもあるし・・・。フラれたし・・・。友達とケンカしたし・・・。いろいろあってね。」


「そっか・・・。」





それは大変だったね。





「でもそんなヘコむことないって!せっかくの可愛い顔が台無しだよ?ほら、笑って!」


「いいよねぇ〜。千石くんは。のんきで。」


「何が?」


「なんか悩みとかなさそう。」





やっぱそう見られてんのかな。オレ。





「そんなことないよ。
 テニス強くないし・・・。恋も・・・ね。
 誰にだって悩みはあるんじゃないかな?」


「・・・・・・ありがとう。」





なんだろう。

ちゃんが言った『ありがとう』がすごく嬉しい。

人に感謝されたことあんまりないからかな・・・。





「何か元気でたかも。ありがとね。
 私は・・・。相談にのってあげられないけど・・・。」


「じゃぁ、オレの悩み聞いてくれる?」


「んー、何?」


ちゃんって彼氏いたの?」


「っ!!!」





さっき『フラれた。』って言ったよね。

ちょっとっていうかかなりショックだったんだよね。





「フルような男と付き合うんだったら。」


「いや、あのそれは・・・。」


「自分を愛してやまない人と付き合ったほうがいいよ。」


「だからね、千石くん。」


「何。」





何言ってもオレの気持ちは変わらないよ。





「実はあれウソ。
 ひっかっかってくれるかなって思ったから///。」





そ、それはどういう意味なのかな・・・。

オレも一応男だから・・・。期待しちゃうよ?





「好きじゃない人に人生相談なんかするかぁ〜!!!」


「ちょ、ちゃんっ!?」





逃げる気なの?














もうっ。

いきなりだったからびっくりしたんだよ・・・。














キンコーンカーンコーン













運良く授業終了のベルの音。

千石くん・・・。追いかけてこないかなぁ・・・。

「好き」って思わず言っちゃった。

は、恥ずかしいんですけど・・・///。

もう顔合わせらんないよー。





「どこ行ってたの?サボるなんてめずらしいじゃん。」


「うーん。ちょっとね。」





ホントサボらなきゃ良かった。

そうしたら会わずにすんだのにー。





「ハァ・・・。」


「ん?どうした?」


ちゃんいる?」


「っ!!!」





ど、どうして・・・。

何で私のクラスにいるの?





、千石と何かあったの?」


「えっ・・・いや・・・。と、とりあえず隠れるッ!」





ガタガタと机の中に隠れる。

何かあったどころじゃない。

恥ずかしくって顔も見れないよ・・・///

っていうかだから何でいるのさっ!





「やっほー、ちゃん。」


「・・・・・・え?・・・・・・えぇー!!!」





な、何で?

何で私の目の前にいるの?





「千石がどこにいるかって聞くから。」


「(ガーン、・・・)も、もうっ///。」


「え、ちょっ、ちゃん!?」





千石くんは何も分かってないんだから。

勢い良く教室を出てまた脱走。

無理だって。

いくら何でもまともに話せない。

のバカー。呪ってやるー。













「私何考えてんだろ。ってどうわっ!!!


ちゃん、危ない!」












* * *












ハァ・・・。

オレってそんなに嫌われてんのかな?

いや、ちゃんと「好き」って聞いたんだ。

そんなはずない。

・・・でもあんなに拒否らなくても。

自信無くなっちゃうよ。




「・・・ん・・・?」





ここ・・・どこ?

私、どうしたんだろ。

体が重い・・・。

確か・・・。走ってたっけ。

何でだ?

あー。千石くんから逃げてて・・・。





「おはよう。ちゃんv」


「ん?んー・・・んんん!!!」





えっ!何で?





「せ、千石くん!?・・・・・・いたっ!」


「だ、大丈夫?まだ寝てなきゃダメだよ?」





頭と背中が・・・痛い。

どうしちゃったっていうの?





ちゃんってばいきなり走って飛び出すからびっくりしちゃったよ。
 その後、階段あるのにそのまま走っていくから。」


「え・・・・・・。」


「危ない。って思ったらやっぱり落ちちゃった。」


「じゃぁ・・・。」


「大丈夫☆オレがしっかり支えたから。」





つまり千石くんが助けてくれたってこと?

助けてくれなかったらもっと痛みがひどかったんだろうな。

ハァ・・・。何か今日ついてないな。





「ゴメンネ。有難う。」


「いいっていいって。好きな人守るのは当然でしょ。」





えっ・・・。

今、何ていった?

千石くんは笑ったままだけど・・・。





「どうしたの?唇。」


「ん?ああこれ?助ける時に切っちゃって。」





アハハハと笑ってる。

笑い事じゃない。

私のために・・・。





「ごめんなさいっ。私がバカなばっかりに・・・。」


「へ?そ、そんなことないって。」





え・・・。





「君のためならいくらでも傷つける。
 君が傷つかないのなら・・・。」


「ん、や、やめて・・・。」





ドン。





「ごっごめん・・・。」





いきなりキスしようとするんだもん。

押し返した。





ちゃんってオレのこと好きなんじゃないの?
 さっき『好き』って言ったじゃん。
 それなのに・・・。何で逃げるんだよ・・・。」


「そ、それは・・・。」


「オレはちゃんが好き。大好き。
 だからもう・・・。逃げないで。」





私を抱きしめて・・・る?

嘘だ・・・。

こんな暖かいんだ。人のぬくもりって。

初めてだよ。こんなに暖かいの。

ズルいな・・・。もう・・・。





「ハァ・・・。」


「???」


「良かった。」


「・・・何が?」


「助けてくれたのが千石くんで。」


「プッ。何それ。」


「何で笑うのさ。」






真剣なのに・・・///。





「私も好きだよ。」


「うん。知ってる。」





背中にそっと手をかける。

千石くんも暖かいかな?

だといいな。





「千石くん。」


「何?」


「目つぶって。」


「何で?もしかして・・・(ニヤリ」


「い、いいからつぶって///。」


「ん。」





って、ちゃっかり口突き出してるし。

もう。違うってば。





「っ///。」


「治る・・・かな?」





キズのところに優しくキスした。

痛かったかな。





「しみちゃった?」


「・・・・・・///。もっとしてくれたら治ると思うな♪」





今日はなんか・・・。いろいろあったけど・・・。





いい日だったかもね。





END