いい加減気付いてや。オレの気持ち。












告白












「男と女が2人で映画観に行くんやで?
 2人きりやよ。
 もう分かるやろ?」


「・・・・・・うっ・・・。」





忍足くん・・・じゃなくて侑士は何が言いたいんだろう。

確かに私は女だし、侑士は男だよ?

もしかして・・・。恋人みたいって言いたいのかな?





「オレの気持ちに気付いてや・・・。」





侑士は私のことが好きなの?

そんなわけ・・・ない・・・よね?





「好き・・・とかそういうのじゃないよね?」


「っ!!!」





何でや。

それで当たっとるやん。

てこんなに鈍いんか?

それともわざとなんか?





「ずっと・・・。のことは知っとった。
 3年になって同じクラスになった時はめっちゃ嬉しかった。
 そやけど・・・。オレのこと避けてたやろ? 
 嫌われとると思った。
 そしたら昨日親しげに話してくれた。

嬉しかったんや・・・。」








「好き・・・やで?」


「・・・・・・。」





この人は本気なのだろうか。

昔、冗談で言われたのに本気に思ったことがある。

あの時は顔から火が出るほど恥ずかしかった。

今回も・・・。そうなのかな?

でもそんな雰囲気じゃないし・・・。

でももうあんな恥ずかしい思いはしたくない・・・。





「本当にそう思ってる?」


「っ!ホントや!嘘なんかとちゃうでっ!」





まだ疑うんかいな。

もうええ加減きれてまうよ?

そんなオレ優しくないんやで。





もしかして友達として・・・好き・・・とか?

そんな感じかな?





「何ですぐ返事くれへんの?」


「え・・・だって・・・。」


「そんなに悩むことなん?」





そうじゃない。そうじゃないけど・・・。

どうしたらいいの?

でもだったらやめろって言うな。

確かに『忍足侑士』っていうのだけでもすごい。

付き合うなんていったら必ず他の女子の反感を買う。

・・・もうそれは嫌だ。

景吾の時にもうそれは・・・。





「私なんか・・・。」


「っ!」











ガバッ。











っ!

何でや。





「何で避けるん?」





抱きつこうとしたら避けやがった。

なんなん?その態度。

もオレが好きなんやろ?





「もう・・・。嫌なの・・・。」


「・・・何がや?」


「景吾と幼馴染なのは知ってるでしょ?
 それだけで呼び出されたり・・・。
 あんなことされるのは嫌だ・・・。」


「何でオレと関係あるん?」


「っ!だって侑士はモテるんだよ?
 昨日は・・・。誰もいなかったら話かけただけで・・・。
 今日も学校じゃないし・・・。」





もう、耐えられへんっ。

完全にきれてしもたわ。





「なんやそれっ!ただ逃げてるだけやないかっ!
 オレは跡部とは違う。
 そんなんする奴はオレがしばいたる。」





はオレだけ見とればええんやっ。
 好きなんやからしゃぁないやろ・・・。
 この気持ち抑えられへんのや・・・。」


「侑士?」


「付き合うて・・・くれるか?」





どうしよう。

やっぱり怖いよ・・・。

ホントに守ってくれるだろうか?

っていうか私っ///。

侑士のこと好きっていう設定で話してるし・・・。





好き・・・。なのかな?





「じ、自分の気持ちはよく分からない・・・。
 でも・・・。侑士が本気なのは信じられる気がする。」


「そんなん分かっとることやん。」





貴方の腕の中・・・。すごく気持ちいい。

暖かい・・・。

笑われるかもしれないけど・・・。愛を感じる。





「オレのこと・・・好きか?」


「・・・・・・///。う・・・うん。」





軽く触れた口さき。

改めて見たらやっぱりカッコイイよ・・・///。





「ゴメンな?傷ついたやろ?
 こんな思いさせる気はなかったんや。
 ホンマ、堪忍な?」


「うん・・・。大丈夫。」





あぁ、きっと好きなんだ。

そう思えた。





・・・。」


「ん?」


「もっと・・・キスしてええ?」





聞く前にキスしてんねんけどな。

角度を変えて何度も・・・。

甘い。とろけそうや。





「んっ・・・はっ・・・。」


「体が言うこときかへんのや・・・。」





自然に腰と顔に手がいく。

ハァッ。耐えられへん。





「っんっ・・・。」


「堪忍な。」





舌をそっと入れた。

舌が絡み合うたびに音がなる。

そこがむっちゃいやらしい。

いや、そそるんやけど。





「くっ・・・くる・・・しぃ・・・。」


「っ。悪い。」





気付かへんかった・・・。

慌てて口を離す。





「告白してよかったわ。」


「うん・・・。」





は鈍いかもしれへん。

けど・・・。ちゃんと分かっとる。

オレの気持ちを。

跡部。今回はオレの勝ちやで?





『告白』





END