冬はぶっちゃけ嫌いなんよ












協同作業













あー、いつまで経っても冬のままや。

いつになっても春は来ないな。

はよ夏が来てほしいんやけど・・・。





「そういえば何の用だったんだ?」


「あ?ああ、さっきのノートか・・・。」





確か・・・何やったっけ?(オイ





「何かはさまっとる・・・。」


「何々?」





なっ何やコレ!






『今日の放課後、先生の仕事をやっといてくれ。
 先生は出張で忙しいんだ。

 大丈夫。君には見込みがあるっ!!!』





「げっ、なんだよコレ!」





グシャッ。





「アホ教師め・・・。許さへんっ。岳人、行くで!」


「いや、オレは部活あオレもやっ!」





オレだって部活あんねん!

こないなことしたらまた跡部にどやされる。





「とにかく行くでっ!・・・って岳人?」





アイツ、逃げやがった。

何が親友だ。

早いとこダブルス解消しよ。











ガララッ。











「オイ、コレ書いた奴出て来い。」


「っ!!!忍足くんっ!!!」





何やそない驚くことないやん。

片手にカッターもっとるぐらいで(危険です





先生ならもう出張に行きましたよ。
 と、とにかくカッターこっち向けないで下さいッ!」


「あ、忍足くん?」





あ?何や?

こない怒っとる時にファンかいな。

ウザイな・・・。





「何や?・・・ってちゃんっ!」


「(???)これ先生から。やっとけって。」





ドサッ。






何やろ。

幻覚やな。

オレの手の中に大量の資料がある。

そんでそれをおいたんが愛しの

・・・とりあえず死刑決定やな。












* * *













「ったく・・・。面倒やな・・・。」


「大変だね。」





うわっ!

ビックリしたわ・・・。





ちゃん!」


「手伝ってあげようか。」





・・・・・・。

どないしよう。

オレにも春が来たわ。





「ホンマ?大変やで?」


「2人でやれば2分の1でしょ?」





2人で・・・。

他の誰とでもなく2人で。

「共同作業」って感じでええわ・・・。

めっちゃ嬉しい。

跡部に自慢したいわ・・・。





「ええんか?」


「うん。今日は部活ないし。」





そうか・・・。

こ、これはチャンスやろな。

いろいろ聞く。

まだあれはできんやろ(怪しい

とりあえずは会話や。

やっとと話せるんやっ!





「・・・・・・。」


「・・・・・・。」





あかん。

何しゃべっていいのか分からへん。

こういうときに岳人がおったらええのに・・・。

使えんやつやな。





「忍足くんってさ。」


「(ビクッ!)な、何や?」





から話しかけてきてくれた・・・。





「テニスうまいらしいね。」





・・・・・・。

確かにうまいねんけど・・・。

『らしい』が引っかかるわ。

そんなことそのへんの女に聞いてもすぐ分かることや。

そんなにオレのこと知らんの?





「まぁ、自分で言うのもあれやけどな。」


「そっか。」





どないすればええねん。

は黙々と仕事やっとる。

オレもやってんねんけど・・・。

集中できへん。

せやかて目の前におるんやで?

心臓五月蠅いし・・・。

聞こえてるんとちゃう?





「映画とかよう観るんか?」


「う〜ん。まぁね。」


「オレもよう観るんよ。」





まぁ、ラブロマンス系やけど。





「どんなの観るの?」


「・・・せやな・・・。ほぼ見とるな。」





あえてラブロマンスは言わずに。

ひかれるの嫌やもん。




「今面白いのやってるよね〜。」


「観に行くかっ!」


「(・・・・・・!?)」





し、しもた・・・。

つい本気になってしもたわ・・・。

めっちゃ驚いとるし。

そんな顔も可愛いんやけど。





「一緒に行ってくれるの?」


「もちろんや。」





地の果てまで一緒やでっ。

期待してしまう。

見てみぃ跡部。

こっからが腕の見せ所さかい・・・。





『協同作業』





END