運命は最初から決まっているんだ





ただ先を知らないだけなんだ














いないと不安












いつからだろう。

1、2年の時はたいして気にしてなかった。

どうしてかな。3年になって。

気付き始めた。貴方のことを。

感じ始めていた。この気持ち。





〜!やったね☆同じクラスだよ!」


「うんwやったねv」





普通だった。

だからこの1年はすごく普通じゃなく思えたのかもしれない。






「あー、忍足くんと同じクラスだ。」


「嫌なの?」


「だって女が多いじゃんっ。邪魔なんだよねー」


「あー、分かる分かる(笑」





そう。男子テニス部といえばイケメンぞろい。

特に景吾や忍足くんは。

あ、景吾とは幼馴染なんだよね。

だからよく『お姉さんのお呼び出し』が来る。

・・・あれどうにかしてくんないかな。

とりあえず忍足くんとは一定の距離を開けよう。

だって嫌だもん。

もう景吾の様になるのは・・・・・・。












* * *












「寒くなったね。」


「そりゃ秋だもの。」





1年は早い。

もうあっという間に秋。








「寒いな。」


「ハァ?秋だからだろ?」


「分かっとるわ。」





何言うとんねん岳人。

オレの心も秋なんやで?

いや、冬かもしれへんな(え

分かるか?この気持ち。

せっかく大好きな人と同じクラスになれた。

めっちゃ嬉しかったわ。

神様に何度も感謝したわ。

でも裏切ったんや。オレの神様。

[大好きな人=]は何故かオレとの距離をとっとる。

オレが話しかけようとするとすぐどっかいってまう。

何なんやろ。

オレが嫌いなんか?





「オレの心はもう冬や・・・。」


寒っ!


「せやから秋や言うとんねん。」





学習能力身につけや。





いや、あんまり侑士が寒いこと言うから・・・。





「何でやろな。」


「ハ?まだ言ってんのか?」


「別にお前に言うとらんよ。」





この男はどっから沸いてくるんや。

跡部景吾。彼女の幼馴染や。

せやからか分からんけど妙に仲がええ。

・・・めっちゃむかつくんやけど。





はお前のコトなんか好きにならないゼ。」


「そんなん分からへんやん。」





やってみなな?





「無理だな。賭けるか?ア〜ン?」


「ハイハイ。」





コイツと付き合ってると時間がなくなる。

っていうかウザイ。

さっさと消えろや。





・・・。」





そんなにオレが嫌いなん?



とりあえずやな。オレは完璧やねん。

髪型も顔もスタイルもいいし、性格も優しいつもりや。

やのに何でやろ・・・。

言うてくれたら即直すんやけど・・・。
















ずっと悩んどったら嫌になってもうたわ。

無論、アイツのことは好きやで?





「忍足くん!?」


わっ!!!


「落ち着け侑士。」





な、何やっ!

目の前には・・・。!?

何でおんねん。





「あの、平気?」


「ああ、大丈夫。大丈夫。」





近くで見るとえらい美人やな。

・・・・・・。何や岳人。

「うわぁ。」みたいな目で見んなや。

照れる。(違う





「あのね、先生がこれ忍足くんにって。」


「あ、あぁ。有難うな。」





ノート・・・?

あー。そういえば出したような・・・。

とりあえず先生に感謝やな。


こんな絶好の機会与えてくれよって。





「いいよね。忍足くんって。頭良くて。先生からも気に入られてるし。」


「そうか?以外と悪いんだゼ?」


「そうなの?」





何楽しそうにしゃべっとんねん。

別に岳人なんかにそんあ笑顔向けんでもええよ。

オレにだけ向ければ。





「じゃねっ!」


「オウ!」





・・・・・・。






「何だよ侑士。」


「仲ええな。」


「結構話やすいんだな。」


「ハァ・・・。また冬に逆戻りや。」


「・・・・・・っハァ?」





いなくなると寂しい。

ほんまに春が過ぎてった感じや。

いてほしい、側に。

抱きしめたい。抱きしめられたい。

こんなん思うオレは変人なんか?





『いないと不安』





END