忍足侑士
















私の大好きな人の名前
















Call















ずっと好き。大好き。


何でだろってぐらいに。大好き。


いつからだろ?気付いてたらもう好きになっていた。



魅力?な、何だろ・・・。

皆が言うように、大人っぽくってカッコイイとこなのかな・・・。


私は違う気がする。


それだったら生徒会長の跡部くんとかの方が当てはまってしまう気がする。




違う、何かに私は惹かれていると思う。

これが「運命」なのかな?



でも、勝手に思ってても迷惑なだけなんだよね。
















はさぁ、早く告白しなくていいの?」


「だって、忍足くんなんて私のこと気にしてないみたいだし・・・。」


「聞いてみなきゃ分からないじゃん!可愛いのにさ。」


「もう、ったら・・・。」





親友のにはいっつも告白しろっていわれる。



でもね、怖いんだ。


告白してフラれるのが。




たぶん、フラれても私は一生あの人のことを好きでいると思う。


だから嫌なんだ。





好きじゃないって分かってる人を好きでいるなんて嫌だから。






「早くしないと他の女にとられちゃうよ〜。」


「もうっ!真剣なんだからね!」


「はいはい。でも、何であんなヤツがいいんだろうねー。タラシだよ?」





そう、悪い噂も多い。


今まで付き合った女の数は数知れず。


私も何回かいい雰囲気なところを見かけた。


まぁそのときはその場で逃げるんだけどね。



それでも好きな私って、本当に好きなんだなって。





「でもさ、忍足はのこと好きなんじゃない?」


「ぶっ!!!な、何でよ!そんなことないよ!」


「何で否定するのよ。だって何かとかまってくれてるように見えるけど。」


「そ、そうかな・・・。」





ど、どこがどうそういう風に見えるのだろうか・・・。



確かにドジな私を助けてくれるのは忍足くんかが多いかもしれない。


それでも、忍足くん、誰にでも優しいからなー。





「勇気出して告白することをオススメするよ。」


「んー、ありがと。」


「きっといい結果だって。私が言うんだから間違いない!」





自分から告白なんて絶対出来ない。
































「あれ、忍足くん・・・?」





放課後、忘れ物をとりに来た教室に、彼はいた。


ん?もう1人・・・。誰・・・・・・?





「私、忍足くんのこと、好きなの!」


「・・・・・・。」





え、も、もしかしなくても告白!?


うわ、見たくないとこ見ちゃったよ・・・。



反射的に足は反対方向に向いたそのとき、





「ごめんな。気持ちは嬉しいんやけど、俺、好きな子おんねん。」


「2番目でもいいからっ!!!」


「あかんねん。他の奴、眼中に入らんようになってしもたんや。悪いな。」





え・・・・・・。

そ、そんな・・・・・・。



忍足くんにそこまで好きな人がいるなんて・・・・・・。


そうだよね。私だけじゃないんだよね。



私のように忍足くんにだって大好きでたまらない子ぐらいいるよね・・・・・・。





その場に崩れ、自然と涙が頬を伝った。





「・・・・・・分かってたよ。同じクラスのさんでしょ?」


「・・・・・・。」


「見てれば分かるよ。だっていっつもさんのこと見てるんだもん。」

「そ、そんなか?」


「うん。でも気付いてないよ、あの子。ね、さん?」





同じクラスの子なんだ・・・・・・。


うわ、嫌だな・・・。その子のこと意識しちゃうから・・・。





・・・・・・ん?さん?





さん・・・・・・、ぇえっ!!!!!!


も、もしかしてもしかしなくても・・・・・・・。





「っっっ!!!おるんか!?」


さん、私の代わりに幸せにならないと本当に怒っちゃうからね。」


「え、あ、え・・・・・・・。」


「じゃぁね。」





私の横を通っていった人は、




すごく、綺麗で、



大人っぽい人だった。





、おるんか?」


「え、あ、うん・・・・・・。」


「・・・・・・・(気まずいな)」





え、ちょ、ど、何かどうなってるのか全然わかんないんですけど・・・・・・。


忍足くんに初めて「」って呼ばれた・・・///





「そ、そこにおるん、ほんまにか?」


「え、あ、はい。」





ガタンっと音がした。


きっとそこの壁に忍足くんがいるんだ。

ドアは閉まっていて顔は見えない。





「あー、ずっと聞いとったん?」


「う、うん・・・・・・・。」


「じゃぁ、俺の好きな人も分かってるん?」


「い、いや、そこまでは・・・。」


「は?分かってないんか?」





「あー、しもた、この子鈍感なんやったな。」となにやらに1人ごとを言っている忍足くん。


好きな子・・・・・・。



も、もしかして・・・・・・。





、よく聞いてな。」


「は、はい。」


「俺、お前のことが好きなんや。」


「へっ・・・・・・、あ・・・・・・。」


「付き合ってほしいねん。」





そ、その言葉が嬉しくて。


また泣いてしまった。





「うっ、うっ・・・・・。」


「な、何で泣いてるんや?(泣くほど嫌なんかな)」


「う、嬉しくて・・・・・・。」





大好きでたまらない人に告白された。


それについていけない自分がそこにはいた。





「なぁ、扉、開けてええ?」


「も、もうちょっと待って。」


「もう耐えられへんねん。ええやろ?」


「だ、だってすごく泣いてるから・・・。」


「え、ええよ。その顔がみたいねん。」





「ずっと好きやったんやから・・・・・・。」





「嬉しいっちゅうことはOKって意味やろ?」





「っちゅうことは、その顔、俺のもんなんやろ?」
















1枚の壁越しにあなたがささやいてくれた言葉は
















私にとって大切な事実
















END