「侑士・・・・・・。」
「ッ!!!」
絶対に見たく無かったものを見てしまった。
Don't cry
私はその場に立ちすくんでしまった。
いつかは見てしまうかもと思っていた。
でも、それが現実になると結構辛いものなんだね・・・。
「、あんな、これは・・・・・・。」
「ごめん、用事思い出しちゃった・・・あと、邪魔しちゃってごめんなさいっ!」
「ちょぉ待てや、っ!!!」
私は硬直している足をなるべく遠くに運んで行った。
胸が締め付けられる思いに耐えながら。
今日は侑士とデートだった。
いつも部活で忙しい彼とはデートする暇もないわけで。
しかも侑士からのお誘いだった。すっごい嬉しかった。
気合入れて可愛い服も買ったし、オシャレして少しでも侑士に似合う彼女になれるように頑張ったつもりだった。
幸せだった。さっきの光景を見るまでは。
綺麗なお姉さん。そんな感じだった。
どうしても準備に手間取ってしまい、待ち合わせ時間ギリギリになってしまった。
私がもう少し早く来ていれば何事も無かったのかもしれない。
でも、いつかはそうなる運命だったから。
分かってしまうことだったから。
侑士の隣にいたのは綺麗なお姉さん。
私なんかと比べたら何倍も素敵で侑士にお似合いな人。
きっと年上だと思う。
2人が並んでいると侑士も大人に見えて私が幼く感じた。
「ちょぉ、待てって!!」
「離してっ!」
思わず掴まれた手を強引に振りきった。
「(びくっ!)・・・?」
「ご、ごめん・・・・・・、そんなつもりじゃ・・・。」
びっくりした。が俺の手をふりほどくやなんて。
は俺にベタ惚れのはずや。告白からもからやったし。
まぁそれ以上に俺はに惚れてんねんけど・・・。
そのが俺のやることを拒否するなんてめずらしかった。
「ち、違うんや、。あんな、アイツは・・・・・・・。」
「いいよ、別に。侑士には私よりあってると思うし・・・。」
「・・・・・・・。」
もうどうしてええんか分からん。最悪やんかオレ。
今にも泣きそうな。
そんな姿までも愛しいと思う俺はおかしいですか?
「・・・頼むからちゃんと聞いてくれ・・・。」
「い、嫌だ・・・・・・。」
結構いまのショックやった。
な、何で聞いてくれないん?
焦った。俺、に嫌われとるかもしれへん。
大切なが手から落ちていくのを感じた。
「い、今はゆ、しの声・・・聞きたくない・・・。」
「・・・・・・?」
「私の勘違いだって分かってる。ゆ、しのこと信じて・・・る。」
「せやったら何で聞きたないん?」
「も、少し、落ち着いたら、ちゃんと受け止められる・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「だから、今は、侑士の声も顔、も、聞きたく、ないし、見たくない・・・・・・。」
大ダメージ。俺、明日この世にいられるんやろか。
なんや振られたんか・・・。いや、それはないな。
受け止める言うてるし・・・。なりに頑張っとるンはよう分かる(そこもめっちゃ可愛ええ)
でもな・・・、結構それショックやで?
「だ、だめ、侑士・・・。」
「あかん。俺、に触れてへんと落ち着かないねん。」
ギュッてのこと抱きしめた。
ビクンと反応する。可愛ええ。
ふんわりと漂うの香り。
絶対離したないわ。
「侑士・・・・・・・。」
「あんな、アイツは昔の彼女やってん。」
「・・・・・・。」
「待っとったら急に話しかけてきてな、そこ、に見られたんや。」
「・・・・・・。」
「今はだけや。これからもずっと・・・。しかいらない。」
強う抱きしめた。
抵抗するかと思っとったら逆に抱き返してきた。
・・・・・・この子、このまま襲ってもええですか?
「辛い思いさせてごめんな?」
「ゆ、侑士は謝らないでよ!悪いのは私なんだから・・・。」
「こんな俺でも・・・・、、好いてくれるか?」
これで拒否されたら振られたってことやね。
でも離したくないんよ。だけは。
「侑士、震えてる・・・・・・。」
「それは、不安やから。」
体全体が震えてる。まぁも同じなんやけどな(泣いとったし)
「情けないな・・・。」
「そんなことないよ。侑士のことは好き。大好き。
ただ、勝手に私が嫉妬してるだけだよ。侑士は悪くないの・・・。」
嫉妬・・・?が俺にか?
めっちゃ嬉しい。
それだけ俺ンこと思っとる証拠やろ?
「俺ンが嫉妬心強いで。」
「う・・・・・・。」
「あんま浮気みたいなことせんといてね?(したら体で教えたるけど)」
「あう・・・・・・。」
俺よりのが震えとるやん。
可愛ええな・・・。小動物や。
が小動物やったら俺はトラとかライオンか?
抱きしめただけで壊れそうやった。
「しょ、小動物・・・?(わ、私が!?)」
「なっ!、俺の心まで読めるようになったん?(嬉しい)」
「だって侑士思いっきり声出てたよ?」
「う、嘘や!今ンは声には出てへんはず・・・。」
・・・・・・はずやのに。
びっくりした。これから気ぃ付けよ。
「ふふ、侑士、気付いてなかったの?」
「当たり前やん。絶対口にしてへんと思っとったのに・・・。」
やけど、が気付かずに俺ン心読んだかもしれへんで?
そう言ったらそうかもねとふんわり笑った。
アカン、不意打ちや(俺不意打ちに弱いねん・・・)
「は壊れそうで怖いんや・・・。俺、抑えきかへんし。」
「大丈夫だよ。私そんな弱くないから!」
「、やっと笑ったな。」
今までずっと泣いとったがやっと笑った。
やっぱ笑顔が可愛ええね。泣いとる顔もそそっとったけど。
それ言うたら真っ赤になって俺の胸に顔をうずめた。
「侑士はずるいんだよいつも・・・。」
「ん?そうかもなー、でももズルいで?」
「私も?」
「何やっても俺のツボやもん。理性抑えるの毎日大変なんよ。」
が言う言葉、する行動、全てに胸がなる。
存在自体にドキドキしてる。いつもうるさい。
「侑士だって、言う言葉全部カッコイイから許しちゃうんだもん。」
「おおきに。」
「褒めてないよ!」
それにしても折角のデートが台無しやな。
それもこれもあの女のせいや。
まぁ、昔俺が遊びすぎてたんも悪いんやけどな(とりあえず全部あの女のせいにしたる)
・・・・・・この時間、たっぷり取り戻さんと。
「、もう俺ンこと受け止められたか?」
「ん?あ・・・・・・なんとか。」
「なんとかってなんやねん。ほな、帰ろか。」
「ええ!デ、デートは?」
「家の中でもできるやん。」
部活忙しくて疲れたしな。
で回復しよ。
「勿論、来てくれるよな?。」
「う・・・・・・はい。」
「ん、ええ子。」
これからが楽しみや。
END
続いてしまったらごめんなさい。