「好きです。付き合ってください。」
「せやからな・・・。」
しつこい女は嫌いやねん。
MEGANE
「好きなんですっ!」
「いや、嬉しいんやけど・・・。あかんねん。」
「どうしてっ!」
「好きやあらへんもん。」
何度もせまってくる女。
苦手やわ。
オレの性格上断るのは少し気が引けてまう。
ほら、俺って優しいから。
せやから優しく断ったってんのに・・・。
「ひどいっ!忍足くんってそういう人だとは思わなかった。」
「んなこと言われてもなぁ・・・。」
誰でも好きじゃない奴と付き合うたくないやんか。
オレも同じや。
「最っ低っ!!!」
「あー。」
しるかんなこと。
顔も知らへん女と付き合えるかっちゅうねん。
あー、なんか腹立ってしもた。
ドンッ。
「わわわっ!スミマセンッ!」
あー、今日は腹立つことしか起こらへんのかいな。
いきなり女がぶつかってきよった。
結構痛いんやけど・・・。
ホンマ、ぶち切れるで?
「オイ、それで済むんと・・・。」
「オイ、コラ、待てッ!!!」
「ハヒ!た、助けてください・・・。」
なんや、向こうから走ってくるんは・・・跡部?
何やっとんねん。
「自分、跡部に何して・・・。」
「忍足ッ。そいつをよこせ。」
「嫌!死んでもヤダ!」
なんやよう分からんけど・・・。
「やめとき跡部。オレの女に触れんとき。」
「アーン?お前の?初耳だな。そうなのか?。」
驚いてオレの顔を見とる。
いいから頷いとき。
「そうっ!そう!」
「ほらな?早よあっち行き。」
「チッ。覚えてろよ。」
なんやよう分からんけど・・・。
オレの背中でおびえてるんはオレの密かな想い人っちゅうことは確かや。
「有難うございます!」
「ええよ。別に。
自分、やんなぁ?」
「そうですっ・・・って忍足くん!?」
「オレのこと知っとるん?」
「うん。有名だしね。」
そうか、有名なんやな・・・。
あんま、そないなこと気にしたことあらへんからな。
まぁ、そんなことはどうでもよくて。
「何で追いかけられとったん?」
「いや、仕事をサボッたから・・・。」
そうやった。
は生徒会の委員やんな。
ってが悪いやん。
「違うっ!私にだけ大量の仕事をさせる景吾が悪いの!」
ふーん。
『景吾』て呼び方するんや・・・。
なんや気にさわるな。
疑ってまうやん。
「それじゃぁ。どうも有難うございましたっ。」
「ちょぉ待ち。」
それだけで済むと思っとるん?
んなわけないやん。
オレが助けてやったんやで?
「ななななんでしょう?忍足くん。」
「侑士。」
「はぁ?」
「何で跡部の名前呼んどんのにオレは苗字呼びなん?」
「いや、それは・・・。」
跡部と仲良うしとるがムカツク。
「ちょ、人前でそのような行為は・・・。」
「誰がぶつかってきたんや?言うてみぃ。」
「うっ・・・。」
の頭と腰に腕を回して逃げられないようにした。
こうしないとオレの可愛い姫さんは逃げ出すからな。
あー、オレってほんま優しい。
「ととと、とりあえず離してもらえると嬉しいかな、忍足くん。」
「侑士。」
「ゆ、侑士サン・・・。」
さんはいらんねん。
あまりにも拒否るから一度離してやった。
あー、いつからやろ。のことこんなに好きになったんわ。
気付いた時はもうそうやったな。
「、どんなタイプが好きなん?」
「い、いきなりなんですか・・・。」
「なぁ、どんなん?」
「し、仕事をせねば・・・。」
「逃げるん?」
逃げたらどうなるか分かっとるやろ?
いくら優しいお兄さんでも・・・な・・・?
「なぁ?」
「分かりました!え、えっと・・・素顔を見せてくれる人。」
「・・・・・・。」
なんやそれ。
誘っとるんか?
「オレはな。みたいなのが好みやで。」
「はぁそうですか・・・ってぇ!?」
「ん?どないしたん?そんなに驚いて。」
もう面倒くさいから言うわ。
「好きなんや。のこと。」
「は?え、は?」
「素顔を見せる奴が好きなんやろ?やったら見せたるわ。」
眼鏡を外してに顔を近づける。
そしたら目を丸くした。
何やねんその反応は。
「うそ、忍足くんの眼鏡って伊達だったの!?」
「は?知らへんかったん?」
「うん。」
オレの手から眼鏡をとって不思議そうに見つめる。
あー、可愛ええ。
「似合う?」
「似合う似合う。」
オレの眼鏡をかけとる。
押し倒したい。かなり押し倒したい。
ここは我慢や。
「なんや、話ずれたな。」
「バレた?」
「バレバレや。」
「好きだよ。」
「・・・・・・ん?」
今、何て言うた?
好き?
ホンマか?
「ずっと忍足くんのこと好きでした。」
「・・・。」
「付き合ってください。」
一日に2回告白されたわ。
「オレも好きやで、v」
せやけど後者のが絶対嬉しいわ。
END
何がやりたかったんでしょう。