・・・・・・・何だ、休みか。めずらしいな。」
























たった今俺が学校にいる理由が無くなった
























Hot Illusion   
























がいない。





いっつも授業中の寝顔が可愛いがいない。



何もないところでつまずいてこけるがいない。





俺に笑いかけるがいない。











好いとぅが、今、いない。





「おい、仁王。どこ行くんだよ。」


「サボりじゃ。やっとられん。」


「ったく・・・ごまかすの俺なんだからな!」


「わかっとるけぇ。今度奢ってやるから。」


「言ったな!!!絶対だからな!!!」





ブン太とは同じクラス。テニス部ということもあって仲がいい。



とも同じクラス。・・・・のはずじゃがついこの間まで口もきいたこと無かった。

やっと柳生使って仲良ぅなったと思ったんじゃけどな。










「今、何しとるんじゃ。」




「どこにおるんか?」











メールの返事も全く無い。



メールなんて最初の1回で終わってしまったからな。

俺からのメールが不思議なんじゃろか。



それとも意図的に返さんのか。





考えるだけで知りたくなる。


もし、前者ならそんなこと考えなくてよか、早く返信してほしい。


もし、後者なら・・・・・・分からせてやるぜよ。
























俺がどれだけのこと好きか。
























ピンポーン
























いつの日か放課後、をつけてみた。



どうしようもなくのすべてを知りたくて。

学校以外の彼女を知っておきたくて。


柳生に聞いても「仁王くん!あなたって人は・・・」って言うて相手にされんかったしのぅ。





そしたら自然との家も覚えてしまった。

1人暮らしだと分かって胸がなった。


と、同時に不安もよぎる。



あのが・・・・・大丈夫なんじゃろか。











インターホンを鳴らすも出る気配なし。


さっきっから電話しとるのに出ようともせん。




・・・・・・本気で嫌われとるんかの。


表札にはちゃんと「」って書かいてあるからあっとるはずじゃけど。





感覚で分かる。この中にがいる。


なんでじゃろな・・・ここまで人を愛したことはないんじゃよ?
























ピンポンピンポンピンポン
























とりあえず連打。


いるんなら早ぅ出んしゃい。

それとも出られん理由でもあるんか?






既に他の男がおるとか。



だめじゃ。考えただけでいらいらしてくる。





何にせよ早くに会いたい。


こんなこともあろうかといつも持っとって良かった。

針金。ほんま俺ってえらい。




がちゃがちゃと部室を開けるように(ん?じゃって鍵取りに行くの面倒じゃけぇ)開けているとすんなり鍵が開いた。






ガタンと開くドア。


ほぅ、ん家はこんな感じか。

広いような狭いような。


1人暮らしじゃったらこんなもんか。






ゆっくりと足を進めるとあきらかに怪しいベットが目に入る。


とりあえず男はいないようじゃが・・・・・・・

・・・・・・何しとるんじゃ。





「起きてるんなら出てきんしゃい。」





布団をはがすと、あぁ、。会いたかったぜよ。


そう、この香り。の香りじゃ。



頭がクラクラしてくるのが分かる。

おびえながら見てくる。そんなことしたら襲いたくなるじゃろ。





「仁王・・・・・?」


「そうじゃよ。何しとるんじゃ。」


「な、何してるって・・・・君こそ何してるんですか。」





ごもっともな意見。


いきなり大して親しくもない奴が家を訪ねてきている。

しかも鍵を勝手に開けて。




でもそれはが全部悪いんよ。





「お前さん、何で携帯でんのじゃ。」


「携帯?・・・・・・あ、」





のすぐそばに携帯があった。

さーて、さっきの質問。前者か後者か。


そんな近くにあるんじゃったらすぐ出んしゃい。



俺が指を指すと本気でびっくりしとる。





・・・・・・・本気で気付かんかったんか?(10回以上ならしたんじゃけど)





「返事がないんで来てみた。」


「いや、それだけで普通来ないでしょ。学校は?」


「学校よりお前の方が大事じゃ。」


「なっ・・・・・///」





そうそう、その照れた顔が可愛いんじゃよ。



顔が真っ赤なんは俺のせいか?熱のせいか?





「・・・・・・だいぶ熱あるようじゃな。」


「うん。だから学校休んだ。」


「ふーん。」





熱か・・・・サボリじゃないんじゃな。


ふーん・・・・・・じゃったらあんま抵抗せんよな?



ここぞとばかりにおでこをくっつける。

自分でやっておきながらいざがどあっぷになるドクンと胸が跳ねる。



今までこんなんがタイプじゃったっけか?

じゃけど、愛しいよ。





「だ、だめだって!!!」


「何がじゃ?」


「だって・・・こんなに近いと風邪うつっちゃうよ?」


「ええよ別に。人にうつした方が早く治るて言うじゃろ。」
























の風邪じゃったらむしろうつりたい。」





何を言うとるんじゃ俺は。


くさい。こんな言葉でおちてくれるんじゃろうか。





じゃけど、本心なんよ?





「・・・・・・ここまで雰囲気作っといて布団かぶるとはいい度胸じゃな。」





がどんな表情をするのか。

俺のせいでどんな顔に変わっていくのか期待しとったんに。



・・・・・・そんなに俺が嫌いか。





「俺が看病しちゃるから。」


「仁王が?」


「俺が。」


「ペテン師が?」


「ペテン師が。」


「・・・・・・余計悪化しそう。」


「それは俺が魅力的だからか?」





そうじゃないとは分かってる。

期待せずにはいられない。





そんな赤い顔しとったら。





「その前に質問させて。」


「質問?ええよ。ただし、スリーサイズは秘密じゃ。」


「いいよそんなの。知りたくないし。」


「おおー、今のはちょっときいたぞ。」





そういえば初めてかもしれんな。とこんなに喋ったのは。



いつもは俺を避けとる。

まぁ性格は正反対じゃしな。


唯一のつながりといえば柳生だけ。

アイツには色々やってもらったけぇ感謝しとる。




いつだったか柳生とが話しているのを聞いたことがある。







「比呂士って仁王とダブルス組んでるの!?」


「はい。そうですよ。」


「ええ!絶対やめたほうがいいって!」


「(そ、そんな全力で止めなくても・・・)大丈夫ですよ。彼はああ見えて紳士的なところもありますから。」


「だってあだ名が『詐欺師』だよ?比呂士、騙されちゃダメだからねー!!!」








・・・・・・誰じゃ詐欺師なんてつけた奴。





「まず、今日の学校はどうしたんでしょうか。」


「行ったぜよ。」


「でも、ここにいますが。」


「じゃから、が心配で来てやったんじゃ。感謝しんしゃい。」


「からかうのならよそでやってほしいな。」


「いやいや、本気じゃよ?」





、俺はからかったことなんて1度もないぜよ?

気付かないお前さんが悪い。




に会いたくて来たんじゃ。





「まぁ・・・・じゃ次。何で私の家を知っているの?」


「それは秘密ナリ。」





前につけてたから知ってますなんて死んでも言えん。


不満そうな顔。それもええのぅ。





「っていうか鍵かけてたはずなんですけど。」


「開けた。」


「いや、開けたじゃなくて。どうやって?」


「これよ。」





意外と簡単に開いたよな。


もうちっと用心しとかんといかんぜよ?

俺みたいな奴他にたくさんいるけぇ、どうするんじゃ。襲われたら。





「犯罪とか思わないわけ?」


「何もしとらんじゃろ。」


「いや、十分してるし。普通しないよね?」


「俺は普通じゃないきに。も分かっとるじゃろ。」





普通じゃない。


そう言った後、は黙ってしまった。

それは肯定なんか?は普通なんか?



普通じゃない。への想いが。





「じゃぁ・・・・・・。」


「なんじゃ、まだあるんか?」


「だって、怪しすぎるから。これが最後だよ。」


「ん。じゃったらええけど。」





本当は何個でも答えるつもりじゃった。


からの質問。こんな嬉しいことはないじゃろ。

俺のこと全部知って欲しい。外も、中も。




さーて、最後の質問とやらは何かのぅ?
























「何で看病しに来たの?」





「何でじゃと思う?」


「な、何ででしょう?」
























が好きじゃから。」





溢れるくらい





が愛しいから。」





どうしようもなく





が学校来んかったら俺も行く意味ないけぇ。」





可愛い姿、見れんのじゃったら居てもつまらんし





「風邪じゃったらなおさらじゃ。俺が看病してやらんと。」





誰が看病するんじゃ 俺だけじゃろ?
























「じゃから、来た。好いとぅんとこ。」





俺の気持ち。


全部本心じゃけぇ、信じんしゃい。





「なんじゃ、急に赤くなって。熱、悪化したかの。」


「さ、触んないで・・・。」


「水、飲めるか?」





ふと目に入るコップ。

・・・・・・使わせてもらうぜよ。





「っっっんっ!!!」


「んはっ、あばれなさんな。」





そんな苦しそうな声出しなさんな。



もっとしたくなる。

喘ぎ声とはまた・・・違ったんじゃけどな。

どっちかっていうと俺のがやらしい声出しとるし。



・・・・・・欲情させたんはよ。





「ちょ、ちょ、な、何・・・・・・。」


が苦しそうだったんでな。」


「だ、だからってそんな・・・・・・。」


「ファーストキス・・・じゃったか?」





だまって落ち込んでいる


・・・・・・ファーストキス・・・じゃったんじゃな?

自然と口元が和らぐ。ニヤけずにはいられない。







俺が、の最初。

あっちも最初にしたいもんよ。





「最悪。」


「親切にしてやったことに対してそれはなかろう。」


「だって頼んでないもん!」


「言ったじゃろ。」
























「俺が看病するって。」
























「今日は俺からは逃げられんぜよ。」
























ここまでその気にさせたんじゃ。

ハマるとこまでハマってもらわんと困る。












詐欺な医者もなかなかイケるじゃろ?
























きっとすぐにオチるはずさ 熱い駆け引き

























「あきらめて看病されんしゃい。」
























END

サイド仁王くん サイドって楽しいですねv