意外と人間もいいものを生んだりする。
人工美
「ぐはっ・・・。重いってコレ・・・。」
乙女にこんな仕事をさせるなんて考えられないね。
あー。図書委員なんてしなきゃよかった。
こんな重い本の整理するなんて聞いてないよ・・・(泣
「しょ、焼却炉が遠い・・・。」
遥か遠くにあるって。
こんな時羽が生えたらなー。
「そんなこと考える暇あるんなら早く運んでよね。」
「なっ!何で私の心の声が!」
「思いっ切り声出てたから。邪魔だからどいてくんない?」
先に歩いていたのにぬかされるって悲しい。
リョーマはいいよな・・・。小さいのに力持ちで。
「私なんか・・・。」
「早くしてよね。」
えっちょっ・・・。
手伝ってくれると思ったのに・・・。
そのまま抜かして歩いていった。
それでも男かっ!
ちぇっ・・・。変な期待して損した。
よしっ。がんばろ。
ふぅー。やっと終わったし。
あ、もうこんな時間か・・・。
「早く帰んなきゃ。」
ママンに怒られる(←帰宅部
・・・あれ?
「何でリョーマがいるの?」
「悪いかよ。」
テニス部のはずなのに。
「練習は?」
「外見た?」
・・・ん?
あ、雨だ・・・(ずっと中にいた
そっか。だから中止になったのね。
っていうかいきなり雨かよ・・・。
傘・・・。持ってたっけ?
「んと・・・あっったあった♪」
いやぁ、置き傘って便利だなぁ。
「ねぇ。」
「ん?何?」
「・・・・・・2本とか持ってないの///。」
「・・・・・・。」
あぁ、そっか。
そうだよね。天気予報でも言ってなかったもんね。
しかもあんなに晴れてたし。
私くらいだよ持ってるの(置き傘
「んと、持ってないけど・・・。入る?」
「っ!!!」
私の大きいし。
「ぬれたら風邪ひいちゃうからね。」
「///。いっいいよ///。」
「遠慮しないで。」
ちょっと嬉しいし。
リョーマはモテるもんね。
相合傘さんて・・・///。憧れかも。
「オレ持つよ。」
「ん。サンキュ。」
あー。ちょっと恋人みたいかな?
やっやだ。そ、そんなんじゃないんだけど・・・。
おっ。コンビニだ。
「リョーマ、コンビニで買えば?」
「いい。」
か、かたくなに拒否られたんですけど。
お姉さん悲しいよ・・・。
「ど、どうして?」
「・・・から。」
「???」
「っ///。このままでいたいからだよっ。」
えっ・・・。
やっ・・・。まさか・・・。ねぇ?
「・・・リョーマ?」
「・・・///。な、何だよ。」
「可愛いv」
「っ///。」
可愛いのはアンタの方だよ。
「へへっ。」
「何だよ。」
「嬉しいから。」
「・・・///。」
不意打ち。すっげぇ不意打ち。
そんな笑顔で言うなよ。
本気になるじゃん。
「ここまでだね。」
私の家はここからリョーマと反対方向。
「傘どうしようか?」
「走って帰る。」
「そっか。風邪ひかないようにね。じゃねっ。」
聞こえた気がする。
すれ違いざまに。
「好きだよ。」
「・・・私も。」
そしたらリョーマが走って戻ってきた。
「やっぱり送っていく。」
「な、何で?」
「ぬれるのやだから。」
「う・・・。傘かりるつもり?」
「いや・・・。の家にいるつもり。」
「へっ・・・///。」
「いいだろ。」
キレイに咲く花より。
雨上がりの虹より。
君が一番美しい。
END