あんな姿見せられたら。





どうすりゃいいんだよ。
















俺色















ったく、何で俺様がこんなことしなきゃなんねぇんだよ。


生徒会会長というのも意外に面倒くさい。



おかげで部活はできねぇし、何より疲れる。
















。俺が好きな奴の名前。

何でアイツなんかに惚れちまったんだろうな・・・。






1つ1つの仕草に胸がドクンとなるのが分かる。





「跡部くん?」





そう、この声。



本当は「景吾」って言わせたい。



その甘い声でささやいてくれるだけで、どれだけ俺の心は癒されるだろうか。





「跡部くん?気付いてないのかな。」





だからイラついてくる。


「跡部くん」なんてよそよそしい呼び方はやめろ。



「景吾」でいいじゃねぇか。





・・・・・・ん?


何で跡部くんなんて声がするんだ。


・・・・・・俺も末期かもな(分かってんだよそんなこと)





「跡部くん、具合悪いの?」


「っ、!?」





いきなり俺の顔を覗き込んで立っていたのはさっきまで考えていただった。





「いくら呼んでも反応なかったからさ・・・。」


「あ、ああ。それより、お、お前・・・。」





何だその格好は。



制服が濡れている?



必死に胸の前を腕で隠しているが本人はさほど気になっていないらしい(そうじゃなきゃ話しかけねぇだろ)





「あ、こ、これ?これね、植物に水やってたらかかっちゃったの。暑かったからちょうどいいんだけどね。」





あははなんて笑ってる場合じゃねぇだろ。




そんなの他の奴にでも見られてみろ。



即、襲われるだろ(というか俺だったら襲う)





「相変わらずドジなんだな。」


「あ、跡部くん、知らないでしょー、いつもドジなんてこと。」





知ってるさ。


いつでも見てるんだからよ。





「お前これからどうすんだよ。」


「んー、しょうがないから帰る。」


「あーん?その格好でか?」


「だって着替えないもん!それにこうしてたら結構分かんないでしょ。」





そういう問題じゃねぇだろ。



分かるだろ、普通に。





透けてんだよ。馬鹿。





「ちょ、あ、跡部くん何やってるの!?」


「あ?お前、服ねぇんだろ。」


「そ、それじゃぁ跡部くんが裸になっちゃうじゃん!!!」


「別にジャージあるからいい。」


「じゃ、じゃぁそのジャージ貸してくれれば・・・・・・。」


「うるせぇ!貸してやるんだからごちゃごちゃ言ってんじゃねぇよ。」


「(そ、そんな・・・)」





俺は自分の制服を脱ぎ出した。



ここは普通、の言う通りジャージを貸すのが普通だが、それじゃもったいないだろ?





こんなチャンス、逃す馬鹿はぐらいだからな(俺様は頭がいいからな)





「ほらよ。」


「う・・・・・・。」


「俺様を裸にさせといて不服そうだな。」


「べ、別に私が頼んだんじゃ・・・。」


「あー?何か言ったか?」


「い、いえ!!!(ひぃ!)」





何ぶつぶつ文句言ってんだよ。



強いことを言いながら顔が真っ赤なのがまたそそるじゃねぇか。




ここまでしてを感じたいと思うのは重症だと自分でも思う。





「あ、あの、考え中に失礼なんですが、お願いがあるんですけど・・・。」


「あーん?まだあんのかよ。」


「ジャ、ジャージを貸していただけ・・・」


「却下だ。」





同じこと言わせるな。


お前は俺が今まで着てた服を着ればいいんだよ(ここ重要だからな)





「外出ててやるから早く着替えろ。」


「う、うん・・・・・・。」





しかし、こんなおいしいシチュエーションがあっていいのか?


いや、いいんだよな。



とりあえず廊下に出て俺も着替えることにした。



運良く廊下には誰もいない(今はもう放課後だしな)















本心は覗きたいに決まってんだろ。

後ろからギュッと抱きしめたい。


きっと白い肌なんだろうな。純情そうだし。




だからこそ、俺色に染めてしまいたいとも思った。















「あ、もういいよ?」


「あ?ああ。」





そんなことばかり考えて先のことは考えていなかった。



そう、が俺の服を着たらどうなるのかということ。





勿論、俺の方が体はデカイ(は小せぇからな)


制服はブカブカでは不服そうにひきつり笑いをしている。





「あ、ありがと・・・(やっぱり私がそっちのジャージを・・・)」


「なんか言いたそうだな。」


「え、いや・・・、なんでもないです。」





ついさっきまで俺が着ていた服をが着ている。


つまり間接的に肌が触れ合っているということだ。





・・・・・・、耐えられねぇ。





「ここ、乾燥機あったよね?じゃぁ乾かそうかな・・・。」


「・・・・・・。」


「あれ、教員室だっけ?跡部くん知らない?」


「・・・・・・。」


「・・・・・・跡部くん?」


「・・・・ご。」


「・・・・・・え?」


「景吾って呼べよ。」





その瞬間に俺は反射的にを抱きしめていた。





がきている制服からは俺の香りとの甘い香りとが混ざった香りがした。



あぁ、頭がクラクラしてくる。




気持ちいい。





「ちょ、ちょっと跡部くん!?」


「もう少しこうさせてろ。」


「う、うん?」





いつまでもこの感覚に触れていたいと思った。




このままを壊してもいいのだろうか。


俺色に染めてもいいのだろうか。





「跡部くん、疲れてるの?」


「あ?」


「だって・・・なんか、辛そうだったから。」





それはお前のせいだろ。



お前がそんなに愛しいから。



こんなに悩んでるんだろ。





「だったらなんだよ?」


「んー、どうもしないけど・・・。」


「けど?」


「・・・・・・もうちょっとこうしててもいいよ///」


「・・・・・・・・・。」















だったら一生このままだぜ?















そう言った後のの反応が可愛すぎて。














結局、を染めてしまった。














文句ねぇよな?















END