。俺の愛してやまない彼女。



そいつの口癖が「ちょっと待って」










この俺様が待てるはずねぇだろ?
















一分、一秒、待つのは嫌だ















・・・・・・?」


「んっ・・・ん・・・。」





ったく1限目から何サボッてんだよ。

あ?俺様はいいんだよ。

学年1位だからな(さすがだろ)





「わわっ!け、景吾・・・。」


「やっと起きたのかよ。」





今日は朝からダルかった。

だから1限目から屋上で寝ようと思ってた。





そしたら可愛い先客がいた。そう、俺の愛しいが。





「まだ授業始まったばっかじゃん!全然寝てないー。」


は頭悪いから授業出ろよ。」


「いいもーん。今日は眠いの。」





ぶーっ、と頬を膨らまして俺に反抗してくる。

可愛いすぎだろ。今にも襲いそうだ。





「景吾は何しに来たの?」


に会いに来た。」


「は、恥ずかしいことさらりと言わないで・・・。」





顔を赤らめながら抱きついてくる。

それはさすがに反則だろ。

はちょっとどころじゃなく天然だな。


まぁ、俺にとっては嬉しいことだが。





「んふっ!?ちょ、ま、待って・・・。」


「待てねぇ。」





抱きついてきたのをいいことにそのままキスしようとした。


チッ・・・・・・、またかよ。





「いつになったらキスできるんだ?」


「も、もうちょっと知識を増やしてから・・・。」


「俺が身をもって教えてやるから安心しろ。」


「景吾のは安心できませんっ!」





と付き合ってそうとう経っている。

なのにキスはまだだ。勿論抱いたこともない。


・・・・・・俺もよく我慢したもんだな。





、もう待てない。」


「あ、あとちょっとだけ・・・・・・。」


「あと3秒か?5秒か?ん、もう経ったぞ。」


「や、ちょ、無理です・・・。」





『無理』?

何がだ?俺とキスするのがか?


俺はの何だ?あぁ、彼氏だ(忘れかけるところだろ、キスしてないと)

じゃぁキスしていいのは俺だけだよな?


俺のキスは嫌だって言いたいのか?


それとも恥ずかしがってんのか?

はまだキスしたことないからな(俺が全て最初だ)

だがそれだったらいつまで経ってもキスできねぇじゃねぇか。

・・・・・・結婚するまで俺はとキスできないのか?





「それは絶対に嫌だ。」


「け、景吾・・・、落ち着いて下さい・・・(何言ってるのか分からん・・・)」


「この状況が落ち着けるかよっ!いいか、。今から俺様とキスしろ。」


「はっ?な、何いきなり・・・。」


「結婚するまで出来ないのは嫌だ。」





いくら俺様でもそこまで待てねぇ。





(結婚!?)いや、そこまでには何とか・・・。」


「じゃぁ今しろ。」


「な、何でですかっ!急にどうしちゃったの?」





景吾、熱あるんじゃない?と俺の頬を触ってくる。

・・・、それは計算か?

いや、違うな(そういえばは天然だった)





「ご、ごめん、頬触っちゃいけなかった・・・?(あからさまに不機嫌な顔された)」


「そのままキスしろ。」


「や、む、無理だから。」





からのキスか。されたら理性が一瞬でとぶな。

まぁどんな形であれ俺の唇との唇が触れればいい。ああ、そうだ。


だがいつになっても進展しねぇだろうな・・・(もシャイすぎだ)


仕方ねぇ。





。」


ななななんでしょう?(びくびく)」


「強制は嫌だったんだがな・・・。」


「へ?あ、あの・・・・・・。」


が全部悪いんだぞ。」


「け、景吾サン・・・、全く話が分からないのですが。」





あたふたしているの顔と腰に手を回して引き寄せた。





「キスするときは目くらい閉じるもんだゼ・・・?」


「や、ちょ、ヤメ・・・。」





あと数センチで唇が重なるその瞬間。





ブゥーン、ブゥーン





「(は!これは、もしやキスされないのでわ!?)け、景吾?携帯が鳴っている気が・・・。」


「・・・・・・、チッ。」





誰だよ俺にかけてきたやつは絶対明日は見れねぇようにしてやる。(長いね)





「ちょっと待ってろよ。。」





ピッ。





『あ、もしもし?俺、岳人だけど・・・』


「てめぇよくこのタイミングでかけてきたなそんなに宇宙に投げ飛ばされたいかそんなに宇宙で飛び跳ねたいか。」


(ぜ、絶対怒ってる・・・)おおお、落ち着けって。それよりな、監督が呼んでたゼっ、』





ブチッ。





相当レギュラー落とされたかったようだな向日は。

監督が呼んでただと?

じゃぁもう1限目は終わったのか。

・・・・・・そういえばさっきチャイムが鳴ってたような(に集中してて忘れてたゼ)





チッ、タイミング悪すぎだゼ・・・。





・・・・・・?」





俺の隣にもうはいなかった。
































結局逃げてしまった・・・。

だ、だって何か今日の景吾、おかしかったんだもん!

いや、いつもおかしいけどさ・・・(俺様とか言ってるしね)


あんな景吾はじめてだったかもしれない。

意外と景吾は甘えたさんなのは知ってた。

でもいきなりキスねだってくるなんて・・・(正直可愛かった(うわ


んで、結局昼まで逃げてしまった。というか避けてた。

どうにか会わずにすんでるんですけどいつまでもつやら・・・。





「ということで屋上に戻ってきてみてさぁ大変。」


「何が大変なんだよ。嬉しいの間違いじゃねぇのか?あ?」





た、確かに景吾に会えたのは嬉しいけど・・・(死んでもそんなこと景吾には言えません)


運悪くそこには今一番会いたくない男NO.1の跡部景吾さんがいました。





「今までどこ行ってたんだよ。」


「いや、きちんと授業に出てました・・・。頭悪いんで・・・。」





そう言うとツカツカとこちらに歩いてくる。

必死に屋上のドアノブを探し当てて逃げようとしたその時、





「まだ俺様から逃げる気かよ。」


「景吾・・・。」





真剣な目だったので思わず立ちすくんでしまった。

そのまま壁に押し付けられて抱きしめられた。





「結構不安だったんだぞ。」


「ご、ごめん・・・。」


「もうだいぶ待っただろ・・・。」


「ぅ・・・ん・・・。」


「もう限界なんだよ。」


「・・・・・・。」





優しく抱きしめてくれる。

そんなとこも好き。大好き。



私の首に頭を埋めて話してくる。

髪の毛が頬に当たってくすぐったい。





「キス・・・するぞ・・・。」


「・・・・・・。」


「強制は好きじゃねぇんだよ(嫌われたくないから)」


「もうちょっとだけ・・・。」


「もう、一分、一秒、待つのは嫌だ。」




景吾、すごい真剣だよ・・・。

わ、私もちゃんと答えてあげなきゃだよね!


私がただ恥ずかしいだけなんだもん・・・・・・。





「う、うまくないよ?」


「うまかったら嫉妬する。」


「じゃ、じゃぁ・・・。」


「フン。もう一度聞いてやる。キス、していいか?」


「ハ、ハイ・・・・・・。」





言い終わる前にキスされました。





「ちょ、なっ・・・・・・・(ふ、不意打ち・・・)」


「今度は深くな。」





深く・・・=ディープ・・・?

頭で理解するより景吾の動作の方が早かった。





「ふぁっ・・・、景吾・・・。」


「今度から待ってとかいうの禁止な。」


「わ、分かった。」





やっとキスできたゼ。

いくら待たせんだよ。





「景吾ってやっぱり甘えたさんだね。」


「あ?俺が甘えたさん?」


「そう。そんなとこも可愛い〜。」





そう言いながら俺の頭を撫でてきた。

・・・・・・お前今までそう思ってたのかよ。





「どっちかっていうとに甘えてほしい。」


「あ・・・う・・・・・・・。」





そういうと急に顔を赤らめて俺の胸に顔をうずめた。



そういう行動は「どうぞ襲ってください」の合図だよな?





「じゃぁ、遠慮なく・・・。」


「は、え、ちょ、景吾!?」










今までもう随分我慢してきた。



これからはその分、たっぷり補わせてもらうゼ?
















『一分、一秒、待つのは嫌だ』





END





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