好きだけど近づけない。



それは住む世界が違うから。
















ここからそこまで境界線















俺には好きで仕方が無い奴がいる。

。俺と同じクラス。

見た瞬間からもうきていた。コイツだと。

あれは2年の時だったか・・・。

俺とは隣のクラスだった。

まぁ当然のことながら近寄る奴には容赦なく罰を下した(当たり前だろ

3年になってやっと同じクラスになれた。

それだけで嬉しすぎた。



だが、アイツはどうも俺には近づきたくないらしい。





「よっす!跡部!また屋上にいたの?」


「・・・・・・いちゃ悪いのかよ。」





5時間目の始まりのチャイムが鳴った。

・・・いいのかよ。





「そっくりそのまま跡部に返すよ。」


「フン、そんなに俺様に会いたかったのかよ。」


「まさか。」





隣に座ったかと思ったらそのまま寝転んだ。

そんな無防備な体制しやがって。

・・・・・・襲うぞ?





「こんなに気持ちいいと寝たくなるよね。跡部もだからサボったの?」


「俺はに会いたかったんだよ。」


「またそういうことをさらりと言う。彼女さんに怒られちゃうよ?」


「彼女なんていねぇよ。っつうかが彼女だ。」





何気ない会話でも幸せと思う俺は末期なのか?

だが、このままでいいわけがない。

アイツは全く俺を意識してないらしいからな。





「跡部ってさぁ。」


「あー?何だよ。」


「何か大胆だよね。」


「・・・・・・それはどういう意味だ?」





どこが大胆なんだよ。

特にに対してはな。

今すぐにでも襲いたい。

だが、それを抑えてるのは何故だか分かってるのか?





「んー、だってなんかズカズカ入ってくるよね。」


「だからどこにだよ。」


「人の境界線の中に。」


「・・・・・・。」





境界線?何だよそれ。





「人には境界線があるんだよ。まぁ跡部様ならどの境界線でも入っていけるだろうけどね。」


「あ?それは嫌味かてめぇ。」


「嫌味ですよー。ってその話はおいといて・・・。さんは寝るから。おやすみ〜。」


「お、おい、勝手に・・・。」





ったく・・・・・・。

俺だけを残して寝るなよ。
つまんねぇだろ。 「っつうか境界線って何だよ・・・。」































あぁ、寝ちまってたのか。

もうこんな時間か・・・。部活始まるな。

は・・・。

まだ寝てんのかよ。





・・・。」





その笑顔、視線、全部俺だけのものにしたい。

1年我慢したんだゼ?

もういいだろ・・・・・・。

俺もそろそろ限界なんだよ。





「・・・・・・・んっ、あ、あと、べ・・・。」


「少し黙ってろ。」





気付いたら俺は横で寝ていたに馬乗りになっていた。

甘い唇。

これが俺だけのものになると思うとゾクゾクするゼ。





「ちょ、やめてっ!」



「っ!」





のキスの感覚を味わっていたらいきなり押し返された。

・・・・・・何だよ。





「ちょ、な、何してんのっ!」


「何ってキスだ・・・「あー、言わないでっ!」」





いきなり何だ。





が何してんのか聞いたんだろ。」


「そ、そりゃそうだけど・・・。」


「じゃぁ続きやるぜ。」


「嫌だ、無理、絶対無理。」





なっ・・・・・・・。

そんなに拒否られると悲しくなる(いくら俺様でもな





も気持ちよさそうだったゼ?」


「そ、そんなわけ・・・。ないでしょ・・・。」





俺には分かる。

は俺を好きなんだ。

だからいつも屋上に来るし俺の隣であんなに気持ち良く寝れる。

さっきのキスもそうだ。

随分いやらしい顔だったんだゼ?





「無理なの。」


「何でだよ。お前、俺のこと好きなんだろ?何が無理だっていうんだよ。」


「境界線があるから。」





またそれか。

意味わかんねぇ。





「人には境界線があるって言ったでしょ?

 私と跡部は違う世界にいるんだよ。だから例え好きでも入れない。」


「全然理由になってねぇ。」


「ちょ、だ、だから、やめ・・・。」





逃げようとするの腕を捕まえて引き寄せてそのまま抱きしめた。

気持ちいい。

体は正直なもんだゼ?





「これでもまだ境界線があるっていうのか?」


「あるよっ!めちゃくちゃあるじゃんっ!」





時々わけわかんねぇこと言うと思ってたんだが・・・。





「俺とには境界線なんてねぇ。だから俺様と付き合え。」


「ちょ、な・・・(またさらりと大胆発言を・・・)」





勢いで告白してみた。

嬉しいはずだ。だっては俺が好きなんだからな。





「両想いならいいよな?あー?」


「だからっ!好きでも跡部とは違う世界にいるの!

 跡部はもっと高級そうな人とじゃなきゃダメなの!

 私みたいに・・・普通の人じゃ・・・釣り合わないから・・・。」


「お、おい・・・。」





いきなり俺の腕の中で泣き始めた。

勝手に力説しといて泣いてんじゃねぇよ。





「普通じゃねぇだろ。」


「・・・・・・・っ、え・・・?」


「俺様が惚れたんだゼ?普通の女じゃねぇだろ。」





だいたい釣り合わないって何だよ。





「そんなの関係ないだろ・・・。」


「ぅ・・・・・・。」





腰と頭に手をまわして強く抱きしめた。

も俺の背中に腕をまわしてくれた。


っ・・・・・・!(たまんねぇ





「境界線はあるかもな。」


「・・・・・・?」


「でもな・・・。」





そのままの状態(腰と頭に手をまわしている)だからは逃げられねぇ。





「俺とに境界線は無いゼ?」


「あとっ、べ・・・。」





優しくキスをした。

さっきとは違っても受け入れた。

の涙が俺の頬を伝って流れていく。





「あーあ・・・。」


「何だよ。まだ不満があんのかよ。」


「・・・・・・ファーストキスはもっと純情な人とするはずだったのに。」


「・・・・・・オイ。」





しかもファーストキスだったのかよ・・・。





「好きです。」


「あー?」


「跡部景吾が好きですっ!」


「っ!っ!」


「わわっ!ちょ、跡部!」





今度のキスは優しくないゼ?





END





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企画サイト様提出作品。