オレはこういうキスが好きなんだ。











キスの仕方













「跡部、何でそない機嫌悪いん?」


「うるせぇ。てめぇには関係ねぇだろ。」


「ええやん。景ちゃん〜。オレとお前の仲やろ?」


キモい。


「(うぅ・・・。ひどいわ・・・。)」





今日は何の日だ?

ああ。そうだ。2月14日だ。バレンダインデーだ。

朝から女がいちいち五月蠅い。

ったく。

オレ様は好きな奴ができちまったからな。

今年は貰っても全て廃棄だ。

・・・・・・だが肝心のそいつからまだ貰ってねぇ。

まさかくれねぇのか?

・・・いや、そんなことねぇよな。





「キャーw跡部様〜!!!」


「絶対食べてくださいねv」





あーあ。

なんや今年は跡部の奴嬉しそうやないな。

去年なんかはまんざらでもなさそうやったのに。

こらこら、そんなに騒いどったらうちの大将キレてまうやん。

・・・・・・怖いわ(オレに八つ当たりしてくんねん








ダンッ。










「ったくうるせぇんだよ!・・・・・・ッ!?」






















「今日もパンが買えたよ〜。」


「良かったわね。」

「へへへ。いいでしょー。」


「まったくこの子は・・・。ん?あっちの方五月蠅くない?」


「ああ。何だろね〜。行ってみる?」





ああ。今日はバレンタインデーだもんね。

お目当ては超美形でカッコよくてテニス部部長で生徒会長(長いな)の跡部くんのファンね。

ん?跡部くんこっち見てる?

まさかねー。





「すごい人気だね。」


は誰かにあげないの?」


「別にあげる人いないしー。あ、にあげたじゃん。」


「どうも。
 でも跡部くんにかかわらないほうがいいわよ。いこうッ!」





・・・・・・。

何で跡部くんは私の親友の名前を呼んでいるんだろ?

何で跡部くんは私の親友のを呼んでいるんだろ?

何で跡部くんは私の親友のを呼んでいるんだろ?





「・・・・・・、知り合いだったの?」


「ん?いや・・・。初対面だけど・・・。」


「じゃぁ何で・・・。」


〜。」


「あ、忍足くん!」











あ?

こいつら知り合いだったのか?

・・・・・・気にいらねぇ。

なんで忍足にはそんな笑顔なんだ?





、ちょっと来い。」


「え、まっ・・・。」


「ちょっと、跡部くん!」





が拉致られたわ・・・。

どうしよう(助けようよ

っていうか何で跡部くんがの事知ってんのよ。





「忍足、どういうこと?」


「知らんわ。アイツの考えてることは。
 まさか好きなんがやったとはなぁ・・・。」


「・・・・・・へ?」












* * *










「どどどどうしたのでありますか?跡部くん。」


「・・・・・・。」


「無視ですか。」





とりあえずを生徒会室に連れ込んだ。

ここもプレゼントでいっぱいだな。

テーブル、ソファー、イス、どこもかしこも箱だらけだ。

せっかく2人きりになれたっていうのによ。





「何?跡部くん。」


・・・。今日は何の日か知ってるよな?」


「ん・・・。バレンタインデーだよ。それとも鳳君の誕生日って答えてほしかった?」





ハハハ。と笑う顔。

全部オレのもんにしたい。

オレだけに見せる表情にしたい。

他の奴に見せんじゃねぇよ(特に忍足(何でやねん





「でも、さすがだねー。こんなにもらって。
 ・・・・・・っていうか私がこんなとこいていいのかな?」


「なぁ。」


「あ、聞いてもいい?」





良いに決まってんだろ。

オレがからの話を断るかよ。

オレにだけ話しかけてるんだゼ?





「何だ。」


「何で私の事知ってるの?」


「ハンッ。愚問だな。」





そんなの当たり前だろ。

1つしかねぇよ。





「ねぇ、何で?」


「後で言う。」


「えー。・・・・・・まぁいいや。んで跡部くんは何?」


「くれ。」


「・・・・・・???」





そんな照れなくてもいいだろ。





「何をでしょう?」


「お前さっき今日は『バレンタインデー』って言ったよな。だったらもう分かるだろ?」


「・・・・・・え、チョコとかのこと?」





当たり前だ。

チョコよりお前が欲しい。

そう言ったらビックリするんだろうな。





「渡しにわざわざオレ様の所に来てくれたんだろ?」


「あ、いや・・・。」


「オラ。貰ってやるよ。」


「あのぉ・・・。」


「捨てねぇから。」


「その・・・・・・・。ナイです。」


「フッ。そうか・・・。・・・・・・・ってあ?





いや、そんなはずはねぇよな。

さっきオレ様に渡しに来たじゃねぇか。





「その、さっきはたまたま通りかかったわけで・・・。」


「本当に無いのか?」


「ゴメンナサイ。」





オレは勘違いしたのか?

を見つけた瞬間「キタッ。」と思ったのは間違いだったのか?





「ホント、ごめんね?」


「・・・・・・。」


「っていうか何で跡部くん私のチョコ欲しいの?」


「・・・・・・。」


「じゃ、じゃぁ・・・おとなしく帰ります。」


「オイ。」


「え?」





それでオレ様が納得すると思うかよ。

無いならそれ相応のことをしてもらうまでだ。





「な、何?」


「さっきの2つの質問。答えてやる。」


「本当!?」


「答えは好きだ。」


「えっ・・・。」





1つ目の質問は何でのこwとを知っているかだ。

2つ目はどうしてのチョコが欲しいか。

どっちも同じ答えだ。





「お前が好きだ。お前しか見えない。」


「あっ・・・。」


「好きすぎてもうおかしくなっちまったんだよっ。」


「・・・・・・///。」





の腕を掴み無理やりオレの胸につけてきつく抱きしめる。

こんなに柔らかいんだな。





「跡部・・・くん・・・?」


「キスしていいか?」


「ッ!!!」


「何もくれなかったからだ。いいよな?」


「ふぁっ・・・。言う前にやらないで・・・。」





優しく唇に触れる。

抵抗しないと期待するゼ?





「跡部くん・・・///。」


「景吾。」


「で、でも・・・。」


「またキスするぞ。」


「もうっ・・・。んっ・・・。やめっ・・・。け・・・ご・・・。」


「好きだ。愛してる。」





壊れそうなくらい愛してる。

どうにもならねぇよ・・・。このキモチは。





「ねぇ・・・。景吾・・・///。」


「アン?」


「私からキスしていい?」


「ッ!!!」





からキス?

やべぇ、心臓が五月蠅い。

聞こえそうだ。





「だ、だめ・・・かな?」


「いや・・・。だが・・・。」


「何もあげられなかったから。」





軽く触れた唇。

確かに伝わった。

からの愛が。

伝わったか?オレの愛。





「好き・・・かも・・・///。」


「たりまえだ。」


「へへへ。よろしくね。」


「ああ。離さねぇぜ?」











どんな形であれこの手に掴んだ愛。

離してたまるかよ。











END









ストレートに告白させてみたり。