女の趣味はわからない。















可憐な心

















どうして私がここにいるんだろ?

こんなところに私がいていいのだろうか。

私的には非常にいにくいのですが・・・。

だって何か痛い視線をものすごく感じるんですけど。





「(あの子誰?)」


「(うわぁ、変な髪形)」



「(何で貧乏そうな子がここにいるのよ)」





みたいな!?(←透視

だってめっちゃこっち見てるもん!

こっちだって来たくてここに来てるんじゃないんだから。

だいたい私だって何でここにいるのかわかんない・・・。

くそっ、貧乏ですよ!





「よう、待たせたな。」





「っ!!!」





そう、原因はこいつだった。
















* * *

















〜学校にて〜









「っでさぁ、ちゃん〜!」


「私は忙しいのよ。背後にいる彼氏にでも語り掛ければ?」


「それはどういう意味だ。」


「話しかけてほしいくせに。」


「いちいちうるせぇんだよ。」


「ハイハイ。邪魔者は消えるわ。」



「えー。行っちゃうの?」


「とっとと消えろ。」




いつも何かといがみあう2人。

ちなみに背後にいたのは私の彼氏の跡部景吾。

そこらの女どもに聞けば誰だってそう答えられるだろう。

知らない人はいないぐらい有名なんだから・・・。





「で?何の用?」





はっきりいってそんな付き合ってる的な仲じゃない。

景吾はテニス部で忙しそうだし、それに全然かまってくれない。

別れようと思って話かけると流される。

だからわざわざ私のとこまで会いに来るなんてめずらしい。

でも嬉しくない。

わかってるから。





「怒んなよ。」


「怒ってないよ。」


「・・・まあ、いい。よく聞けよ?
 オレ様のパーティーに招待してやる。」



「・・・ハァ?」


















* * *



















みたいな?(え

同じ年ぐらいの子はいなさそう。

何で私を選んだんだろう?





「ねぇ、けい・・「ちょっと来い。」」





こ・・・ここは・・・。





「これがお前のドレスだ。早く着替えろ。」


「へぇ?う、うん。」





・・・・・・。





「ってここにいないでよぅ///」


「アン?彼氏なんだからいいだろ?」


「関係ナイッ!」





着替え見られるんだよ?

恥ずかしいじゃん///。

でも・・・。





「有難う。」


「フン・・・・・・・。」





気を使ってくれたのか後ろを向いてくれた。

・・・出て行ってほしいんだけどね。

さっさとと着替え出す。

ここで着替えるのも心のどこかで期待しているからかもしれない。

もうわかってるのに・・・。





「着替え・・・、終わったよ?」


「なかなか似合うじゃねぇか。」





ドレスというよりはワンピースかもしれない。

花柄のキレイなワンピース。

私にはもったいない。






「ねぇ、何でこんなところに私を呼んだの?」

 私なんかを・・・。他の女のほうがいいくせに・・・。」





「わかってるんだよ?もう・・・。景吾も苦しみたくないでしょ?」





知ってるんだ。無理に付き合ってるの。

早く私と別れて他の人と付き合いたいんだ。





「ああ。」


「ッ!!!」




ふいに奪われた唇。

何でなのよ。





「ど・・・どうしてぇ?」





「何でオレを拒否るんだよ。
 苦しいのはお前もだろ?
 もっと素直になれよ。もう・・・オレを苦しませるな。」


「だって私と別れたいんじゃ・・・。」


「オレがいつそんなこと言ったんだよ。」





ふいに流れた涙。

それは景吾も同じだったらしい。





・・・。悲しませたか?
 オレはずっとのことを思ってたんだ。
 が・・・。ずっとそう思ってたんだったら・・・。





悪かったな。」





何でそんなこと言うの?





・・・。」


「うぅっ・・・。」


「泣くなよ。」


「うっ・・・。うっ・・・。」


「オレ様が泣かせてみたいだろ。」


「だって景吾が!!!」





でも・・・。

それでも・・・・・・。





「ありがとう。」



「フン。」





景吾のこんな姿を見るとは思わなかった。

ありがとう。





「じゃあ、いくか?」


「へ?どこへ?」





「オレたちの愛を披露しに行くんだよ。」





静かに・・・。でも確実に、





その扉は開いていった。






END